2008年の"リーマン・ショック"以降の経済危機の中、各企業は広告出稿を大幅に減らし、テレビ局は広告収入が激減。09年度末の最終決算では、フジテレビ以外は軒並み赤字を計上すると予測されている。

 テレビ朝日が深夜0時台の番組を一挙に終了させて、昨年10月から開始した『お願い!ランキング』に代表されるように、各テレビ局は今、いかに低予算で視聴率が獲れ、スポンサーが付く番組を作るかが至上命題となっている。昨年春、大幅に改編した各局のタイムテーブルが、この春、さらに大激変を遂げる。そこで、各局別に終了する番組と新番組を検証。裏話を交えつつ、前後編の2回で春改編の真相に迫る。今回の改編の"目玉"をある週刊誌記者は次のように明かした。

「大きく変わるのは、日本テレビとTBSの月〜金、午後7時台。それぞれ大幅に以前より視聴率を下げた日テレの『SUPER SURPRISE』枠、TBSのニュース番組『イブニングワイド』『総力報道! THE NEWS』が終了し、新番組や枠移動番組を投入します。また、各局でスポーツ番組やニュース番組にも次々とジャニーズタレントを起用。『Going! Sports&News』(日本テレビ系 土曜・後11時55分)はKAT-TUN・亀梨和也がスペシャルサポーターとしてレギュラー出演。『あさイチ』(NHK総合 月曜〜金曜・前8時15分)はV6の井ノ原快彦がキャスターを担当。『news every.』(日本テレビ系 月曜〜金曜・後4時53分)は毎週木曜にNEWSの小山慶一郎が登場。もはや日本のテレビは、ジャニーズの独壇場です。さらに、深夜でコアなファンをつかんだ『人志松本の○○な話』(フジテレビ系)、『モヤモヤさまぁ〜ず』(テレビ東京系)、『もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!』(テレビ朝日系)がゴールデンタイムに昇格します」

 深夜番組からゴールデンに昇格すると、ファミリー層向けの分かりやすい内容になってしまい、深夜ならではの過激さや実験的な要素がなくなるのが通例。これらの番組が同じ轍を踏まないか危惧されている。大幅な改編率となるこの春改編だが、その詳細を各局別に検証していこう。

◆日本テレビ

"視聴者支持率No.1"を目指す日テレは、月〜金午後7時台に帯で放送していた『SUPER SURPRISE』枠が終了。昨年4月に、『サプライズ』のタイトルで、ゴールデンタイム初の生放送の帯バラエティーとして山瀬まみをメインにスタートするも、視聴率は低迷。秋からは、ほぼ事前収録となるという迷走を続け、グダグダな幕切れに。

 4月からは、月曜が哀川翔、宮川大輔らが世の中の不思議を調査する『不可思議探偵団』がスタート。火曜は旅企画などを残した『火曜サプライズ』として継続。水曜はゲーム番組『脱出ゲームDERO! 密室謎解きバラエティ』、木曜、金曜はそれぞれ現在『SUPER SURPRISE』で放送中のチュートリアルの『ミリオンダイス』、今田耕司の『うんちくクン』を放送。だが、「やはり午後7時台は低予算のままで、スタッフは青息吐息」(業界関係者)だという。

 また、土曜・後10時『エンタの神様』が終了し、嵐の新番組『嵐にしやがれ』がスタート。『恋のから騒ぎ』が金曜・後11時30分に移動し、土曜・後11時には加藤浩次と大東俊介、JOYらイケメンたちによるトーク番組『心ゆさぶれ! 先輩ROCK YOU』になるなど、テコ入れも行われる。

 情報&スポーツ番組では『Going! Sports&News』で、KAT-TUN・亀梨がくりぃむしちゅー・上田晋也とコンビを組む。藤井貴彦アナ、『ミヤネ屋』を卒業する丸岡いずみによる夕方のニュース『news every.』には、NEWSの小山が週1で出演。『NEWS ZERO』出演中の嵐・櫻井翔も含めて、日テレのニュース・情報番組は、ジャニーズが席巻することになる。また、『NEWS ZERO』は小林麻央が市川海老蔵と結婚し、番組を卒業。「ZEROカルチャー」のコーナーに週1で"美人すぎるバイオリニスト"宮本笑里を起用する。さらに、『おもいッきりPON!』『おもいッきりDON!』がそれぞれ『PON!』『DON!』となり、新たなブランド化を図るという。

 深夜番組では『嵐の宿題くん』『99プラス』『歌スタ!!』『カートゥンKAT-TUN』『EXILE GENERATION』『走魂』『音楽戦士』など人気タレントを起用した番組が次々に終了。新番組としてさまぁ〜ずが芸人たちの素顔に迫る『ネタ工場(仮)』(月曜・後11時58分)、ロンドンブーツ1号2号、チュートリアルら出演の『ショーバト!』(火曜・後11時58分)などがスタート。

 連続ドラマでは、嵐・大野智による『怪物くん』(土曜・後9時)が、春クール一番の"衝撃作"として話題。フランケンをチェ・ホンマン、オオカミ男を上島竜兵、ドラキュラを八嶋智人が演じ、TOKIOの松岡昌宏が悪魔族の王子・デモキンとして登場するのも注目。また、松雪泰子主演の『Mother』(水曜・後10時)、加藤ローサ主演の『プロゴルファー花』(木曜・後11時58分)がラインナップ。

◆TBS

 最大規模の改編期率となるTBSは、月〜金に帯で放送していた『総力報道! THE NEWS』が終了し、午後7時台にバラエティー番組が復活。後4時53分から放送されていた堀尾正明の『イブニングワイド』をリニューアルして3月29日から『Nスタ』がスタート。

「午後7時台にニュース番組の定着を狙い、『総力報道! THE NEWS』を企画しましたが、NHKの牙城を崩せず、視聴率は大惨敗。スタートさせた当時の編成局長はすでに更迭され、人事異動しています」(業界関係者)

 午後7時台は月曜に『関口宏の東京フレンドパークII』が復帰。火曜は『紳助社長のプロデュース大作戦!』を放送。"あるある探検隊"ネタでブレイクし、一発屋として低迷したレギュラーを島田紳助が宮古島に派遣し、民宿をオープンさせるなど、さまざまなプロデュースを試みる。紳助は、AKB48に対抗した「赤坂サカス48を作りたい」と目論み、さらに「最初は(視聴率)5%でいい。1年かけて浸透させて2ケタを取る」と息巻いている。

 水曜は『時短生活ガイドSHOW』が枠移動。木曜は2時間のバラエティー枠『スパモク!!』、金曜は加藤浩次と小林麻耶のコンビによる『がっちりアカデミー!!』を放送。午後7時台の復活に総力を結集するようだ。

 そのほかバラエティーでは、爆笑問題、黒柳徹子出演の土曜後7時『キズナ食堂』が終了し、その枠に中川翔子、ココリコ・田中直樹の深夜番組『飛び出せ!科学くん』が昇格。水曜・後8時にTOKIO・国分太一の『世界笑えるジャーナル』、木曜・後9時の『ザ・イロモネア』が終了し、ウッチャンナンチャンの『ウンナンのラフな感じで。』がスタート。

「『ザ・イロモネア』は、後半は新企画を次々に投入し、この時間に合うフォーマットを検討中。現在唯一のウンナンとしての番組だけに気合が入っているようです」(業界関係者)

 ニュース番組は『NEWS23』が終了し、『NEWS23クロス』となり、松原耕二、膳場貴子のコンビに。スポーツキャスターとして"ゆうこりん"こと青木裕子が登板。青木の起用が新たな視聴者の獲得に繋がるか注目だ。

 深夜番組では『月光音楽団』『第二アサ(秘)ジャーナル』『タイノッチ』『ざっくりマンデー!!』『ホリさまぁ〜ず』『崖っぷち』『マイフェアレディ』『格闘王子』『ドキュメント・ナウ』『Take me out』『カード学園』が次々と終了。新番組として、『有吉AKB共和国』(月曜・深1時29分)がスタート。AKB48は、『AKBINGO!』(日本テレビ系)、『週刊AKB』(テレビ東京)があり、いずれも継続。冠番組を同時に3つ持つのはアイドル史上初と目される。そのほか、『あらびき団』が火曜・後11時50分に枠移動、SMAP・稲垣吾郎出演の『G.Iゴロー』(月曜・後11時50分)、爆笑問題の『爆! 爆! 爆笑問題』(水曜・後11時50分)、アンタッチャブル・山崎弘也らの『あいまいナ!』(金曜・深2時20分)がスタート。社会現象を巻き起こした女子高生バンドアニメ『けいおん!!』(火曜・深1時29分)にも期待。

 連続ドラマでは、水曜・後9時に韓国で最高視聴率39.9%を記録した、イ・ビョンホン主演の韓国ドラマ『アイリス』を投入し、起死回生を狙う。また、山本裕典、瀬戸康史、三浦翔平、大東俊介らイケメンヤンキーが新体操に挑む『タンブリング!』(土曜・後7時56分)、成宮寛貴、仲里依紗出演の「週刊少年マガジン」(講談社)連載漫画をドラマ化した『ヤンキー君とメガネちゃん』のヤンキーモノ2作で『ROOKIES』の再来を狙う。ほかに、原作・東野圭吾、阿部寛主演のミステリー『新参者』(日曜・後9時)も要チェック。

 日本テレビ、TBSが午後7時台で視聴者を減らす中、09年の年間視聴率(関東地区)がゴールデン、プライム、全日の各時間帯で6年連続で3冠を達成する"王者"フジテレビ、手堅く視聴率を稼ぐテレビ朝日、さらに我が道を行くテレビ東京、NHKの改編は次回に掲載する。



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