素顔の一端を明かしたのりピー本

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   育ちはヤンキーだし、母親になって子育てには模範的ではなかった――。「のりピー本」3冊が相次いで出版され、覚せい剤事件を起こした酒井法子被告(38)の素顔が明らかになってきた。看板にしていた「清純派」とはほど遠い姿がそこにはある。

   テレビで生中継された謝罪会見で、酒井法子被告は、大粒の涙をこぼしてお茶の間を釘付けにした。「やっぱりスターというのは何かが違う」。芸能リポーターの梨元勝氏は、2009年10月7日に緊急出版した著書「酒井法子 隠された素顔」の中で、こう世間を驚かしたと紹介している。

逃走は「証拠を残さないための時間稼ぎ」?

   ネット上でも、著書にあるように、「カワイイは無罪」との声まで出たほどだ。

   ところが、梨元氏は、大粒の涙も「清純派女優」としての演出だったとみる。09年9月17日の謝罪会見当日は、所属事務所だったサンミュージックがメイクや衣装を用意した。そして、記者会見でのことを予期して、酒井被告のほほに、涙を美しく弾くファンデーションが厚く塗られたというのだ。

   さらに、左手や左足のタトゥーを特殊メイク用のドーランを塗って消していたことも指摘している。

   10月に入り、いわゆる「のりピー本」3冊が出て、酒井被告が、デビュー当時から、清純派という「仮面」を被り続けていることが浮き彫りになった。失踪から出頭までの間にも、仮面を少しでも汚させまいとする行動が明かされている。

   10日に発売された芸能ジャーナリスト、渡邉裕二氏の「酒井法子 孤独なうさぎ」では、こんなエピソードを紹介している。

   逃走中、ある大物女性芸能人が「とにかく早く出頭しなさいよ」と勧めた。これに対し、酒井被告は、「私、いま水をガブガブ飲んでクスリを抜いているところなの。早く体からクスリをすっかり消さなきゃいけないの。だからまだ出頭はできないわ」と答えたというのだ。

   これが事実なら、逃走は「証拠を残さないための時間稼ぎだった」ということになる。

自分の身をさらけ出して生きるのが芸能人

   2009年10月3日に発売されたフリー記者、憲旺利之氏の「碧いうさぎの涙」を含めた3冊によると、次のようになる。酒井法子被告は、暴力団組長の父親を持ち、幼いころに、組員と一時、「共同生活」をしていたこともあった。中学時代は、喫煙や万引きをするようなヤンキーで、不良とも付き合っていたというのだ。それでも、学校ではまじめなソフトボール部員を演じていたという。

   こうした記述がどこまで正確かは分からないが、デビューまでの育ち方も、清純派というイメージにそぐわないのは確かなようだ。

   覚せい剤事件の共犯に当たる高相祐一被告(41)と結婚してからは、酒井被告は、清純派ママドルの一人として、理想的な母親と見られていた。しかし、実際は、息子を親戚や知人の家に預け、自らは遊びに熱中していた、という。失踪前から友人宅に息子を預け、結果的に置き去りにもしている。

   こうした酒井被告の二重性について、芸能評論家の肥留間正明さんは、こう話す。

「裏があるといっても、芸能人とはそんなものじゃないですか。イメージは作られたもので、素顔がそれと違うのは当たり前です。売れるのは、性格が悪い人で、人を押しのけ、踏み台にするぐらいでないと生き残れません。それに、表の顔だけだったら、やっていけないでしょうから」

   のりピー本では、梨元氏が酒井被告に引退勧告をしているのに対し、サンミュージック公認という渡邉氏は復帰を望んでいる。清純派の仮面をはがされた後でも、活躍の余地はあるのか。これに対し、肥留間さんは、次のように話している。

「この事件で日本一有名になったので、芸能界復帰はできるのでは。自分の身をさらけ出して生きるのが芸能人だからです。一般の人は、『もういいんじゃないの』という見方だと思います。職業選択の自由がありますから、お詫びしながら復帰を目指すことになるはずです。ただ、明日からできるほど甘くはありません。芸能人復帰の選択をもう一度見つめ直さないとうまくいかないでしょうね」

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