オダギリジョーと大友克洋監督

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月刊「アフタヌーン」に連載され、単行本シリーズは290万部を売り上げた女流漫画家、漆原友紀の大人気コミック「蟲師」。特殊な能力に恵まれた蟲師たちの旅を幻想的な筆致で描き、2006年の講談社漫画賞に輝く傑作が、これまで誰も見たことがなかった衝撃的な映像作品として生まれ変わった。この注目の映画が、3月24日全国ロードショーが決定した。

監督は、アニメ「AKIRA」でジャパニーズ・カルチャーの先駆者として、世界のクリエイターたちに多大なる影響を与えてきたカリスマ、大友克洋監督。実写映画16年ぶりのメガホンを振る。
そして、主役の蟲師であるギンコを演じるのは、日本映画界を代表する若手スターとして活躍中のオダギリ ジョー。この他、江角マキコ、大森南朋、蒼井優ら、個性派俳優が顔をそろえる。
幻想的な日本の大自然を背景に、大胆かつ繊細なVFXを駆使して、蟲たちの奇想天外な世界を刺激的な映像で見せる。かつて日本人のDNAに組み込まれていたはずの原風景は、あなたの眠れる感性を呼び覚ます!
そのロードショーに先駆けて、マスコミ完成披露試写会が行われ大友克洋監督とオダギリ ジョー氏が舞台挨拶に立った。その模様をレポートする。

Q:コミックの原作がある作品を映画化することにで、どこにこだわろうと思われましたか

大友:100年位前の日本をどのように映像化するかということに始まって、僕が実写を撮っていた頃よりもCGが進化していますので、そういうものとどのようにマッチングが出来るのかということ。そして、新しい役者さんたちと仕事が出来ることは楽しいと思って始めました。でも、大変でした。

Q:CGを使わずに、自然にこだわったというところが興味深いのですが

大友:CGも使っているのですが、日本の風景というのはかなりいろんな所に残っていまます。それをかなり時間をかけて探しましたので、自分もロケハンしながら日本の風景を見てイメージを膨らませていきました。

Q:「蟲師」が世界で注目されていることについてどのように思われますか

オダギリ:まったく分かりません(笑)。まったく分からないというのは嘘ですけれども、とても日本的な話だと思うんです。善き古き日本が、沢山詰まっている作品ですし、外国の方から見て、どういう風にうつるのか僕も知りたいくらい、本当に不思議な作品です。それが海外で受けているというのは、逆に興味深いですね。海外の方がこの作品を見てどう感じるのかということを逆に教えて頂きたいと思います。

Q:この映画のオファーが来たときにすぐにお受けになったと聞いたのですが

オダギリ:大友監督が実写を撮るということに対して、役者をやっている現時点でそこに参加できるということは本当に幸せだと思いますから、何の問題もなく、是非出たいと言わせて頂きました。

Q:撮影現場で実際にご一緒されてどうでしたか

オダギリ:大友監督はとても照れ屋で、海外の映画祭でも短パンで出てしまうくらいの人なのですが、いい意味でとっても子供っぽいところが未だに残っているんです。一緒に飲んで話していたりしても、年の差とか、経験とか、大友さんが今まで背負ってきていらっしゃったものを一切感じさせない、普通にバカ話が出来るというか、本当に子供心を持ち続けている大人の人に久しぶりに会った気がします。

Q:反対にオダギリさんの印象はどうでしたか

大友:漫画の原作ということで、読者によってギンコというイメージがあると思うので、それを具現化する役者さんは大変だと思うんです。いろんなイメージがありますからね。僕らは、衣装であったりメイクであったはお手伝いできるんですけれども、結局は役者さんが演じるわけで、私はもう何も言うことがなくて、「よーいスタート」と言うばかりです。