一足早くスマホがリモコン化を実現! Galaxy Note9はペンで書き、ペンで操作するガジェットになった

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サムスンの秋冬向けフラッグシップモデル「Galaxy Note9」が発表された。
Galaxy Noteと言えば、初代から「大画面」と「ペン」による手書き入力が可能という、独自のスタイルを進化させてきた唯一無二のモデルだ。

最新モデルのGalaxy Note9は、最大の特徴である「ペン」が、さらに大きく進化し、他社のスマホにはない新しい操作を可能としている。


スタイラスペン「Sペン」を内蔵するGalaxy Note9


Galaxy Note9に付属のスタイラスペン「Sペン」は、
・長さ100ミリ強
・厚さ6ミリ弱
かなり細い形状だ。
Galaxy Note9の本体右下から本体内部に収納可能で、ペンのお尻部分を軽く押し込むと取り出すことができる。

ペン本体には操作ボタンが1つ搭載されている。
Galaxy Note9は、このSペンを使って手書き入力ができるほか、入力以外にも様々な機能を使うことができる。

たとえば、
・画面オフの状態でもSペンを抜けば、画面にメモが書ける
・英語のWEBページ表示中にSペンを近づけると、単語や文章を翻訳してくれる
・写真を見ているときにSペンを近づけると画面を最大300倍拡大表示できる
これらの機能は昨年のモデル、Galaxy Note8ですでに実装されていた機能だ。

新しいGalaxy Note9では、このSペンにBluetoothが内蔵されたのだ。
このBluetooth機能によりSペンは、Galaxy Note9本体のリモコンとしても使うことができるようになった。

実際には、アプリ利用中にSペンのボタンを押すと、以下のことができるのだ。
・カメラ起動中にシャッターを切る
・写真表示中に前後の写真に移動する
・プレゼン資料表示中に、前後のページに切り替える
・YouTube視聴中に、次の動画へ移動する
このようにGalaxy Note9のSペンをリモコンとして使うことができる。


Sペンをリモコンにすれば画面に触れずに操作できる


スマホで使えるリモコンシャッターは、今では様々な会社が商品化している。
しかし別売りのリモコンは、
・電池が切れ
・持ち運びに荷物になる
・忘れたり、無くしたりする
・使おうと思ったら使えない(ペアリング不調)
といったことも多い。

Galaxy Note9のSペンは、
・本体収納で充電されるため、電池切れの心配がない
万が一電池が切れても、わずか40秒の充電で30分利用することが可能。
・本体とSペンは常にペアリングされている
Bluetooth接続が切れてSペンのボタンが反応しない、ということもない。
・常に本体に収納しているので、紛失の心配も不要。

画面に書けるペンとしては、アップルのiPad Pro向けの「Apple Pencil」が有名だ。
ペンの書き味も、ほかのスタイラスペンを大きく上回っている。
とはいえApple Pencilは、鉛筆をそのままデジタル化したような製品で、書き物や画面タッチ以外の操作は考えられていない。

Galaxy Note9のSペンとは方向性がまったく違う製品でもある。

Galaxy Note9のSペンは、基本技術にワコムのペン入力技術を使っている。
そのため書き心地は一般的なスタイラスペンよりも良い。
さらに画面に文字を書き込むだけであれば、充電しなくても、ペンの電池が切れていても、利用ができる。

充電はリモコンとして使う時だけ必要になるだけなのだ。
前述したように充電は本体に差し込むだけで行われる。
したがってユーザーは、充電を意識せず行うことができる。

さてリモコンとしても使えるGalaxy Note9のSペンが、さらに本領を発揮するのはGalaxy Note9とTVを接続したときだ。

Galaxy Note9はスマホ本体をTVに接続できるDeX機能に対応している。
DeX機能は、これまでのGalaxyスマホでも利用できるが、専用のクレードルを使う必要があった。

しかしGalaxy Note9は、TVにつなぐときに専用のクレードルを必要としないのだ。
方法は2つのステップで終わる。
・USB Type-CとHDMI出力アダプタをGalaxy Note9につなぐ
・アダプタとTVをHDMIケーブルでつなぐ
これで自動的にTVの画面サイズに合わせた表示がされる

このDeX機能を使えば、プレゼンや写真、動画を表示して友人たちと一緒に楽しむことが、これまで以上に簡単にできる、その際、Sペンをリモコンとして使えば、さらに操作もしやすくなるだろう。

旅行先などでの記念写真でも、Sペンをシャッターリモコンとして使えば、スマホでの記念写真も簡単に撮影できるだろう。
さらにTV画面上でGalaxy Note9の画面を表示し、Sペンで操作すれば、今までのスマホにはない新しい体験と用途を生みだせそうだ。


クレードル不要でTVに接続できるDeX機能


このSペンのリモコン機能だが、実はSDK(ソフトウェア開発キット)が公開される。
このため今後、Sペンのボタンに対応したアプリが多数出てくると予想される。
・ゲームでの操作
・ブラウザのスクロール
・アプリ内の機能や操作の割り当て
など、スマホの画面に触れずに操作できるアプリがこれから増えることにも期待したい。

この新Sペンには、
・マイクやスピーカーが搭載されて音声通話時のヘッドセットなる
という、事前のウワサもあったが、今回は、そうした機能は搭載されなかった。

実はサムスンには、過去に音声通話に対応した太くて長いSペンを販売したことがある。
しかし販売数が思わしくなかったためか、その後、同様の製品は提供されていない。

だがGalaxy Note9には、サムスンが独自開発した音声AIシステム「Bixby」が搭載されている。
スマホ本体にはBixbyを呼び出すボタンも搭載されている。
画面オフのサスペンド状態でも、ボタンを押せばスマホに語り掛けて、情報を検索することもできる。ただし「Bixby」は日本語には未対応ないため、日本の消費者にはあまり知られてはいないのが残念だ。

現在のスマホでも音声AI利用は、
・周りの騒音が気になるためスマホのマイクに口を近づけて話す
といった使い方をする人が多い。

こうした使い方は、やはり使い勝手が悪い。
もしもSペンにマイクが搭載されれば、スマホの画面を見ながらSペンに
「今日の天気は?」
と語りかけるだけで音声操作ができるようになる。

リモコンにも進化したSペンには、ぜひマイク内蔵にも進化してほしいものだ。

Galaxy Note9は、今年(2018年)の秋に発売される。
このことから、iPhone新モデルの対抗製品とみられることも多い。

しかし実は、Sペンを内蔵するペンスマホであるGalaxy Note9には、競合するモデルは存在しない。

Galaxy Noteは、これまでは「ペン」スマホであった。
Galaxy Note9の登場で、
「ペン」
「リモコン」
2つの特徴を持つことで、
筆記具から、リモコンやポインティングデバイスとしても使えるスマホへと、大きく進化している。のだ。

Galaxy Note9は、そんな新しいスマホの可能性を感じることができるスマホなのだ。
是非、一度手に取って、体感してみるといいだろう。


山根康宏