北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された事件で、遺体から化学兵器として用いられる神経剤VXが検出されたことを受け、韓国外交省の当局者は24日、「化学兵器が人命殺傷に使われたことに驚愕を禁じ得ない」と述べた。韓国の聯合ニュースが報じた。

同ニュースによると、この当局者は犯行が北朝鮮によるものとは明言しなかったが、「今回の行為が化学兵器禁止条約など国際規範に対する露骨な違反であることから、国際社会と共に強力に対応していく」との姿勢を示したという。

また、27日に米ワシントンで開かれる北朝鮮の核問題などをめぐる6カ国協議の日米韓首席代表会合に出席する韓国外交省のキム・ホンギュン朝鮮半島平和交渉本部長は26日(現地時間)、「金正男氏殺害に関連し、意見が交わされると思う。化学兵器VXによって金正男氏が殺害されたことをマレーシアが明らかにしたため、今後の対応について議論する」と同ニュースに述べた。

一方、27日から28日にかけてスイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会とジュネーブ軍縮会議に出席すると発表した尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外相は、金正男氏殺害事件を受けて、北朝鮮の人権問題や化学兵器の脅威などを訴える予定だという。