密かな習慣 ことあるごとに「恥ずかしものリスト」を公開するIT族

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 <コラム>
 「記念日にすることは?」と聞かれて何が思い浮かぶでしょうか?
おいしい食事やケーキを食べたり、大切な人と過ごしたり、休みを取ってゆっくりしたり……人それぞれの回答が返ってくる質問ではないでしょうか。

 しかし、ある業界関係者を中心に行われる「習慣」があります。それは、IT業界関係者、特にプログラマやSEといったいわゆる「IT土方」と呼ばれる人達を中心に行われていること。「Amazonほしい物リスト」を公開することです。

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■Amazonほしい物リスト=別名)恥ずかしものリスト

 「Amazonほしい物リスト」は「ウィッシュリスト」とも呼ばれていて、Amazonの商品一覧から、ほしい商品をリストとして記録できる機能です。このほしい物リストは、相手に自身の住所や本名などの個人情報を伝えることなく、またほしい物をピンポイントで伝えることができるため重宝されています。そのため本人の誕生日直前になるとSNS上にさらりと投稿されることもあります。「プレゼントは誕生日を過ぎても受け取りますよ!」なんて言葉とともに。一部では、自分のほしい物をお恥ずかしながら公開するという観点から、「恥ずかしものリスト」とも呼ばれています。

■公開例「社内サバイバルグッズ」

 ちなみに最近見た物で印象的だったのが、某社所属のSEの物で「カロリーメイト」「寝袋」「雑誌」「カップ麺」「アイスコーヒー」「アイマスク」「耳栓」という恐らく社内用サバイバルグッズが要請されていました。公開されるリストを見るだけで、その人が今何と戦っているのか。何を楽しみに生きているのかも垣間見られます。

■本名以外にハンドルネームやプログラマネームで呼び合うことが多い

 IT系の業界では特にハンドルネームやプログラマネームなど本名とは別の名前を呼称していることが多く、結果として正式な住所や本名を知らない同士の関係が出来上がっていることも珍しくありません。そこで、住所や本名を相手に伝えることなく、希望する商品を送り合うことができる「Amazonほしい物リスト」が大活躍しているのです。

 現在Amazonでは書籍以外にも飲食品から日用品、家電、お酒にいたるまで、あらゆる商品を取り扱えるようになっているため、自由自在な希望を伝える場としても格好の好材料が揃っているといえます。また、いざとなればAmazonギフトカードを贈ることもできるため、事実上無限に商品を選び贈り合うことができるという構図なのです。

 実際に、過去筆者は住所や本名を伝えたことのないTwitterの友達から贈り物をもらったことがあります。ただし、リストには入れてあるものの「それはないだろう」というセレクト。贈ったことでネットでネタとして消化されるであろうことも踏まえのことだと思われますが……、まぁそれもまた一服の清涼剤として互いに楽しんでいるのです。

(文:y3sei/プログラマ、時々ライターのIT系担当)