「文學界3月号」(文藝春秋 編) 「最近、太りの方はどうなの?」 祖母は時々、私の体型を見て心配そうに聞いてくる。その度にちょっとだけ腹が立つ。 「変わらないよ。ばあびもでしょ。」 ばあびというのは、私の祖母の呼び名だ。私はかなり太っているが、彼女もまたかなり太っている。50近く歳の差があるのに、周りから見たら私たちの身体の形はそっくりらしい。 「青嵐も私と同じ、渇きの病いなのかしら。困ったものね