『精選女性随筆集宇野千代大庭みな子』(宇野千代大庭みな子小池 真理子 選) 大庭みな子は三七歳の時に『三匹の蟹』(「群像」昭四三・六)で第五九回芥川賞を受賞し、小説家として華々しいデビューを飾った。受賞当時は、夫の赴任先であるアラスカに住んでいたが、昭和四五(一九七〇)年に日本に帰国し、本格的に執筆活動を開始した。その後、小説だけでなく随筆も精力的に執筆し、アラスカから日本に帰国する