厚生労働省の麻薬取締官による違法薬物取締りの実態を綴った『マトリ』(新潮社)が話題だ。著者は同省において関東信越厚生局麻薬取締部部長を務め2018年に退官した瀬戸晴海氏だ。半生を違法薬物の取締りに捧げた“Mr.マトリ”の異名を持つ瀬戸氏がいま危惧しているのは、SNSを利用した薬物売買が横行しているという実態だった。(ライター・高橋ユキ)●懸念するのは「ネットを媒介とした薬物の密売」――本書で「薬物犯罪は時代