「10番」の活躍度は?各国エースのランキング

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 背番号10はチームの顔であり、華である。チャンスメイクからフィニッシュまで請け負えるエースにこそ、ふさわしい背番号だ。ただし、現代サッカーではこの「10番」の存在感が薄れていたのも事実。「個」の力だけでは勝てない時代、「組織」が威力を発揮する時代が20年近く続いてきた。

 しかし、ブラジルW杯では新たな潮流が見えていると言われている。個の力としての10番の復権だ。FIFA公式サイトが発表している「カストロールランキング(選手のプレーをデータ化し、10点満点の数値として表示する分析システム)」から、ベスト8入りした国の10番の活躍を比べてみた。

 ベスト8の中で、10番のランキングが最も高いのはコロンビアだ。今大会の新星であるMFハメス・ロドリゲスは9.74点で全体の2位につけている(1位は9.79点のダビド・ルイス=ブラジル)。

 22歳の左利きの司令塔は卓越した技術と決定力を武器に、ここまでの4試合で5得点。4試合中3試合でマン・オブ・ザ・マッチを獲得している。コロンビアの名将ホセ・ペケルマン監督は「今回がハメスのW杯になるかもしれないということに疑いはない」と称賛している。

 準々決勝でコロンビアを迎え撃つホスト国ブラジルの10番、FWネイマールも、ランキング6位と期待に応える活躍をしている。6月12日のクロアチアとの開幕戦での2ゴールを皮切りに、ここまで4得点。決勝トーナメント1回戦のチリ戦では、PK戦で5人目のキッカーとして登場。計り知れない重圧の下、きっちりと決めたのはさすがだった。

 ハメス・ロドリゲスに次ぐ3位につけているのはフランスの10番、FWカリム・ベンゼマだ。グループリーグのホンジュラス戦では2ゴールながら、実質ハットトリックという活躍でチームに勢いをもたらした。

 このほか、ほとんどの時間帯で歩きながら1秒で決定的な仕事をしてチームを救うアルゼンチンの大スター、FWリオネル・メッシが11位につけている。49位のFWブライアン・ルイス(コスタリカ)、59位のMFヴェスレイ・スナイデル(オランダ)もしっかりとゴールを決め、存在感を見せている。ここまでまだ飛び抜けた活躍を見せていないのはベルギーのMFエデン・アザール(102位)。また、ドイツのFWルーカス・ポドルスキ(515位)は出場時間が2試合54分と短い。

 なお、カストロールランキングは今大会でピッチに立った全597選手のポイントを発表している。日本の10番であるFW香川真司は6.4点で311位。韓国のFWパク・ジュヨンは6.21点で334位となっている。