左から、池田秀一、古谷徹、松本雅治  (C)創通・サンライズ

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1979年にスタートした「機動戦士ガンダム」は、いまも最新作「機動戦士ガンダムAGE」が放映されているほか、お台場に全高18メートルの実物大ガンダム立像が立つなど、人気はまったく衰えない。
トヨタ自動車が「機動戦士ガンダム」とコラボレーション。
「機動戦士ガンダム」の人気キャラクター、“赤い彗星”シャア・アズナブルをイメージしたコンセプトカー「シャア専用オーリスCONCEPT」を製作。
8月25日(土)、幕張メッセで開催された「キャラホビ2012」で初お披露目。イベントステージでは、このコラボ企画「CHAR AZNABLE × TOYOTA」の製作秘話が披露されることとなった。

まず登壇したのは、シャア・アズナブル役の池田秀一。そして、「機動戦士ガンダム」の主人公で、シャアのライバル、アムロ・レイ役の古谷徹だ。

古谷徹は「殴ったね、親父にもぶたれたことないのに!」と、アムロがブライト・ノアに殴られたシーンのセリフを再現しながら登場。おお、すごいサービス精神だ。
そして、池田秀一が着ていた赤いシャツに突っ込みを入れ、「絶対そうくると思って、僕は青と白の連邦カラー(アムロが所属する地球連邦軍)で来ました」と笑顔。

「シャアだってわかっているはずだ。本当の倒すべき相手が誰かということを」
「そう思える力をあたえてくれたのはララァかもしれんのだ。ありがたく思うのだな」
「貴様がララァを戦いに引きこんだ!」
「それが許せんというのなら間違いだな、アムロ君」

劇場版「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」を再現したアムロとシャアの生アフレコも披露された。
ア・バオア・クーでのアムロとシャアの決戦シーン。頭部と左腕を破壊されたガンダムが、ジオングを狙撃する、通称「ラスト・シューティング」を再現。
若い女子グループのお客さんが「来てよかった……」と声を震わせていた。

イベントの後半では、「シャア専用オーリスCONCEPT」のデザイナー、株式会社トヨタモデリスタインターナショナルの松本雅治が登場。製作秘話を語る。
こだわったポイントは、第一印象でかっこいいと思えること。シャアは飾りたてた車には乗らないという判断から、通常のオーリスと比べ、外観の変更はあまりしていない。だけど、モビルスーツっぽく見えるよう細部にはこだわったそうだ。
シャアが乗る、シャア専用ザクには隊長機の印、ツノ(ブレードアンテナ)が付いている。そのため、ルーフにブレードアンテナを設置。ほかにもリアのマフラーエンドはバーニアを連想させるデザインにし、ボンネットのダクトもモビルスーツをイメージしている。

「シャア専用オーリスにはジオン軍のマークが付いているので、本来は(ジオン軍のモビルスーツを数多く生産している)ジオニック社がつくらないといけないですよね。いいこと考えた。ジオニックトヨタという新会社を立ち上げちゃって、松本さんが社長になって、シャア専用オーリスを商品化しましょうよ」
と、古谷が「機動戦士ガンダム」作中の設定を持ってくると、池田はそれを踏まえ重ねてボケにしてしまう。30年以上もライバルなだけあって、息がぴったりだ。

「シャア専用オーリスのことをあちこちで話して盛り上げていただきたい。そうすれば、きっと商品化して、いずれはアムロ専用オーリスも出るかもしれない。これからのガンダムワールドを盛り上げるためにも、みなさんのお力をお借りしたいです」
アムロではなく、シャア専用オーリスが出たことが羨ましかったのだろうか。古谷はイベント中、何度も「アムロ専用が欲しいね」とつぶやいていた。

これに「お台場にガンダムが立って、くやしい思いをしておりましたが、やっと溜飲を下げることができました(笑)」
と池田が対抗。
「再来年で『ガンダム』35周年になります。35周年の際には、シャア専用オーリスに乗って銀座あたりをパレードしたいですね。(シャアの声で)トヨタ自動車の諸君。諸君らには期待している!」
まるで、劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で、新生ネオ・ジオン軍の総帥となったシャアが、兵士たちに向け演説するシーンのようだ。

イベントのあと、トヨタブースに展示してあるシャア専用オーリスを撮影していたら、古谷徹と池田秀一がかわりばんこに乗車しにきてびっくり。うれしいサプライズだ。
シャア専用の赤い機体に乗るアムロの姿を見るのは、もしかしてこれが最初で最後かもしれない。
(加藤レイズナ)