主役はおまえじゃなくて「ネタ」だ！ 第２回エキレビ！ライターオーディション
大人になってから1年がこんなに長く感じたのは初めて。そのくらい、私が1年前にこの講座から得た経験とその後のライターとしての活動って、新鮮で未知なものが多かったんですよね。
なんの講座かって、宣伝会議主催「編集・ライター養成講座 上級コース」です。エキレビ！ライターでもある米光一成さんが専任講師を務めるこの講座では、40名近い「明日のライター」たちが集まって切磋琢磨しています。そして私自身も昨年この講座に通って、自分のライターの武器ってなんだろう？ って悶々としていたのです。
とまあ実はそのくらい、エキレビ！では常にライターさんを大募集なのです。そこでライター講座の中でも紹介されていた、アライユキコエキレビ編集長監修による「エキレビ！原稿 7つの鉄則」をここに大公開！ これまでエキレビ！に原稿を送っていただいたのにまだデビューを果たせていない方、これからエキレビ！に限らずライターを目指したい方は必見です。
１）旬な話題・オススメを！
そりゃまあそうですよね。毎日更新のエキレビ！だけに発売日すぐの書籍紹介なんかはやっぱり注目を集めますし、NHKテレビ小説で大人気中の「カーネーション」を紹介したレビュー記事がこの1ヶ月ずっとランキングトップ10に鎮座しているのが何よりの証拠。この日提出されていた講座生のレビュー原稿でも、二郎ネタや家事代行サービス、映画公開でも話題の「ベルセルク」ネタなど、最近話題になってるテーマの原稿がちらほら。うん、エキレビ！で書けるネタ、まだまだいっぱい転がってるぞ。
２）自分自身がどう捉えたかを把握して書け
「自分」というフィルターをどう通すか。ここが難しいんですよね。要はライターとしての武器は何かっていうことにも繋がってくると思うのです。私、風車好きが高じて風車ライターなんて名乗らせていただいていますが、「天空の城ラピュタ」と風車を絡めてレビュー記事にしたら結構なアクセス数をいただきました。みんなが知っているネタこそ、その「自分目線」が大切になってくるんですよね。
３）ススメないものは取り上げるな！
自分がススメられないものをテーマにしないのはもちろんですが、レビュー記事なんだからそれを読んだ読者がどう行動するか、を常に意識したいですよね。「行ってみようかな」「買ってみようかな」って思ってもらえたらライター冥利につきますし、そんな原稿を私自身これからも書いていきたいです。
４）主役はおまえじゃなくて「ネタ」だ
米光先生と加藤レイズナ先生も何度となく指摘していましたが、「面白い」とか「感動する」って簡単に書いてしまって読者が置いてきぼりになってしまうことってあるんです。ライターか感動したかどうかじゃなく、その「ネタ」がどう面白いのか、感動できるのかを冷静に文字にしたためないと。米光先生曰く、
■テーマを考えるとき・・・自分8割、対象2割
↓
■原稿として書くとき・・・自分2割、対象8割
くらいの感覚が望ましいとのこと。
５）最初でつかめ！
これは私も昨年講座を受けているときに何度も指導されました。「原稿は水泳の飛び込み競技のようなものだ！」（by米光）と。「高く、大きく踏み切って飛ぶほどに魅力的な原稿になる」と。「できれば着水（文章の閉め方）がキレイだと拍手ものだ」と。これは私も常に心がけていますが、今はその飛び込んだ後、ライターとして「長く息継ぎして泳ぐ方法」を知りたいです、米光先生！
６）魅力的なタイトルをつけられない原稿はダメだ
エキレビ！の記事って、タイトルはライターではなく最終的に編集サイドがつけています。もちろんライター自身でもタイトル案って提案してるんですが、まあ採用されないことされないこと。でも「タイトルがつけやすい原稿、つけにく原稿」っていうのはやっぱりあるみたいで、タイトル作成に何時間も悩むこともあるんだとか。WEB原稿はそのタイトルに惹かれてクリックしてくれる読者がほとんど。引きのあるタイトルがつけられる原稿はそれだけ中身も魅力的ってことですよ！ と自戒を込めて記しておきます。
７）アクセスを考えろ読者を考えろ
好きなことばーっかり書いてるようなエキレビ！ライター陣ですが、これでも日々読者のことを真摯に考え、何かしらの気づきを提供できる記事を意識してるんです（キリッ。 実際、世間の「わかりにくい！」に応えたiMessageの解説記事は3ヵ月のロングランでアクセス数を稼いでいるので、読者が何に疑問を感じているのか、どんな情報を求めているのかのアンテナは常に張っていたいですね。
また、アライ編集長からはこの日提出された原稿に対して「みんな全体的に長い！ レビュー記事の読者はお昼休みにお弁当食べながら読む、くらいの感覚でもっと短くコンパクトに」とのアドバイスが。でも、それ言っちゃうと最近のエキレビ！も全体的にちょっと長過ぎでは…… エキレビ！ライターの皆さん、ちょっと意識しましょう。
と、駆け足で「エキレビ！原稿 7つの鉄則」を紹介しましたが、今回のオーディションで提出された原稿は、これらをもうちょっと意識すればさらに読み応えが出てきそうな良作ばかり。近々、新たなエキレビ！ライターの仲間が増えるとイイな。
この日の講座ではライターオーディションの他にも、エキレビ！ライター兼編集担当加藤レイズナ先生による「ライターがデビューして本を出すまで」という講演もありました。いよいよ発売が迫ってきた『プリキュア シンドローム！』という書籍企画がいかにして立ち上がったのか、そもそもなぜライターになったのか、というお話。
わずか4年前はゲーム実況に明け暮れ「プリキュア」ばっかり観てた小僧が初めて原稿を書いた経緯、『インタビュー術！』でおなじみの永江朗氏に逆にインタビューするという無謀な経験を経て、昨年1年間だけで98人にインタビューを敢行するというプロ・インタビューアーになるまでの物語はなんか大河ドラマみたい。『プリキュア シンドローム！』はただのプリキュア本ではなく、ライターの成長物語としても読めるみたいなんで、ライター志望の方も要チェックです。
講座が終わってからの懇親会で加藤レイズナ先生とアライ編集長、これまでのエキレビ！と『プリキュア シンドローム！』の歩みを振り返って、「思えば遠くに来たもんだ」とつぶやいていたのが印象的でした。そう、ライターの道は一日にして成らず。ってことですな。
※これを読んでエキレビ！に原稿を送りたい。と思った方は編集担当のアライか加藤のTwitterまで@飛ばしてください。お待ちしています。
（オグマナオト）
