集団食中毒…調べてみたら水道の重金属汚染、112人入院=江西
江西省瑞昌市工業パーク周辺で9日午前、朝食を食べた住民や会社職員らに、消化器の不調や嘔吐(おうと)などの症状が出た。食中毒にも似た症状だったが、水道管が破裂し、工場が排出した重金属である銅や、塩素、ナトリウムなどを含む水が混じったことが分かった。10日午前8時までに、症状がひどい112人が入院した。中国広播網などが報じた。
入院した人の生命に危険はなく、4人は退院した。医師らが入院中の人を細かく観察しながら全力で治療を続けている。
現地政府の環境保護、衛生、安全生産監督などの部門が専門スタッフなどを派遣して調査を始めた。水道水からは銅や、塩素、ナトリウムなどが検出された。水道管が破裂して、工場から排出された汚水が混入したと断定できるという。
瑞昌市政府の主要幹部は事件発生を受け、ただちに現場に駆けつけ、会議を開いて対策方針を決め、入院患者を見舞った。
現地当局は水道管の全面調査を進め、破損した部分を交換し、その他も部分も洗浄するという。
汚染された水道水が出たのは180世帯と一部企業という。
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◆解説◆ 水道管には通常、かなり高い圧力がかけられており、破損した場合には外に水が噴出する。被害の範囲がかなり広いことから、破損した水道管は本管かそれに近い太い管と考えられる。圧力もさらに強くかかるので、外から汚染水が入る可能性は、さらに少なくなる。仮に水道施設内で汚染水が混入したとすれば、当局の管理責任がさらに強く問われることになる。
報道された汚染物質のうち銅は重金属の1種で、10−15ミリグラフを摂取した場合、腹痛や下痢などの症状が出る場合がある。塩素とナトリウムは食塩を構成する物質でもあり、それだけで激烈な症状が出るとは考えにくい。
当局の発表にもとづくと考えられる中国メディアの記事には、不自然な部分が残る。記事は中国の報道における「紋切り型」ともいえる「問題発生を受け、当局と住民のために上層部は迅速かつ真剣に努力した」との論調に終始した。(編集担当:如月隼人)