06年の「特別模範男」に続き、藤田伸二騎手が「競馬番長のぶっちゃけ話」という本を出版した。常日頃から“ファンは宝”と考える藤田騎手がファンのために、ジョッキーしか知りえない競馬の裏側を書いたもので、売れ行きも好調のようだ。この本を書こうと思い至ったのは、彼のブログに集まるコメントがきっかけらしい。

 内容も実に面白い。「調整ルームの秘密」という項では、食堂のメニューや支払方法を公開し、「あの騎手の正体」という項では“アホな騎手NO.1”や“オシャレな騎手NO.1”など、彼独自の視点で描いてくれている。このようなファンに対する意識を、トップジョッキーが抱いてくれている事は、ファンとしてもありがたいことだろう。宝島社から刊行されているので、是非1度、手にとってもらいたい。競馬をさらに好きになれるはずだ。

 ただこの本でも、そこはやはり男・藤田伸二。最後の項の“検量室・ジョッキールームの内側”では、痛烈なJRA批判も書いている。最もアツく綴られているのは、救護システムに対する不満。この本を読めば、現在の救護システムがいかにずさんかが分かる。藤田騎手も「なんとかしてほしい」ではなく「なんとかしろ!」と強い口調で語っている。命懸けでレースに臨む彼らにとって、これが切なる願いなのだろう。

 JRAへの抗議を、自身のブログに掲載している河野調教師も、藤田騎手と同じように救護システムについて触れている。札幌で田中博騎手が落馬した際の記事。「救護室において“意識があるから大丈夫”と2、3レース置かれたまま。なんで速やかに救急病院に搬送しないのか? その辺の部分がいつも問題になってるにも関わらず、一向に進歩がない。学習能力がないと言われても仕方のない話」と痛烈に批判している。

 また長谷川騎手がインフルエンザにかかった際には、40度もの熱を出しているにも関わらず、ホテルに缶詰め状態にされたという。「他の騎手に感染させないで競馬をやるって事のみで、新型でなかったからよかったのか? 道民、ホテルの関係者、宿泊者に対しても、ちゃんとした対応をすべきだったのではないか。ホテル側はどうなってもいいのか? ―中略− 食べる物に困った騎手の待遇は? ほったらかしはあかんでしょう。人道的な問題です。普通、40度の高熱出したら大概、点滴の一本も打つでしょう。皆さんそうは思いませんか?」と河野師も猛抗議。師のブログや藤田騎手の著書からも分かるように、残念ながらこれが、JRAの“救護システム”の実情なのだ。

 検量室はもちろん、我々マスコミも入れないエリア。だからこそこのように、当事者である騎手自身が内部事情をさらしてくれるのは、ファンにとっても我々にとってもありがたい。少しでもJRAを動かす力になれれば、我々にとっても本望だ。■関連リンク
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