ハトへの迷惑エサやり、静岡市、大阪市で書類送検 改正動物愛護法で命令違反には50万円以下の罰金
静岡市でハトやカラスなど野鳥へのエサやりを止めるよう命令を受けていたのにもかかわらず、続けたとして5月に住民が書類送検された。野鳥へのエサやりは10年以上におよび、市は指導を6回、勧告を2回、中止命令を1回出した。書類送検は全国で2例目、静岡県内では初となる。
同市の環境共生課担当者は「過度なエサやり行為によって近隣の環境に影響を及ぼすおそれがある場合は条例や法律に抵触する可能性があると考えている」と説明した。
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全国初となる書類送検は、大阪市住吉区だ。市によると、住吉区のJR我孫子町駅周辺で深夜にエサやりが繰り返され、集まったカラスの鳴き声やハトのふんなどにより生活環境被害が発生した。
市の職員が張り込みでエサやりする人物を特定し、中止を命じる行政処分を出した。しかし、エサやりを続けたため、刑事告発へ至った。
動物愛護法改正で罰則化
2020年6月に施行された改正動物愛護法では、動物へのエサやりや給水によって騒音や悪臭などで生活環境が損なわれた場合、行政による指導、勧告、命令ができるようになった。命令に従わなかった場合は50万円以下の罰金が科せられる。
生活環境が損なわれる具体例は、ハトが過剰に集まりベランダにふんを落とすことでふんに含まれるカビや細菌が、気管支ぜんそくや肺炎の健康被害を引き起こすことや、鳴き声による騒音だ。
改正されてから6年、初の書類送検が出たが、刑事告発まで進むのは段階が必要となる。管理のため、周りに迷惑をかけているという点に主眼が置かれているのが理由だ。
生活環境が損なわれてから、自治体が段階的な措置を講じていく。まず、指導・助言、その次に勧告で、従わない場合に期限を設けて命令できる。命令違反が確認できて初めて50万円以下の罰金が科せられる。大阪市、静岡市は命令を出したのにもかかわらず違反が続いたため、罰則規定を根拠に告発・書類送検に至った。
東京都では、ハトのエサやりは原則禁止となっている。大田区では、2022年4月から禁止条例が制定されており、悪質な場合は過料5000円が科せられる。都立公園や区立公園では、看板などで明記されている。
エサを与える方は慈悲もあるだろう。しかし、鳴き声やふんなどは人間に実害をもたらす。一人くらいはという気持ちもあるかもしれない。自治体も段階に応じた対応をするため、抑止になればいいのだが。
文/並河悟志 内外タイムス編集部

