3種類のAIを組み合わせて記事を書いてみたら、予想以上に捗った
Lifehacker 2024年10月11日掲載の記事より転載
みなさん、AI使ってますか?
調べ物や要約程度の活用はしてるけど、実際AIを活用している人ってどうやって使っているのかわからない…と感じている人も多いんじゃないでしょうか。
そこで今回は3種類のAIを活用してこの記事を書いてみました!
1本の記事が完成するまでに、どうやってAIを使っているのか、どれくらいAIに任せてどれくらい人力で調整するのか、3ステップでご紹介します。
1. Perplexityで情報の絞り込み
さて、今回執筆した記事は「セルフパワハラ」をテーマにしたもの。
BVEATS株式会社代表・芦名勇舗氏の発言を見て、現代の会社員に必要な情報だと感じて記事化することに。
ちなみに今回執筆する記事は「まとめ記事」と呼んでいるタイプのもので、ライターがテーマを決めてテーマに沿った内容の過去記事の内容から引用する…という形式でまとめます。
このまとめ記事を執筆するときに一番時間がかかるのは「情報精査」です。
テーマに沿った過去記事を探し出し、内容確認するのですが、絶妙に想像していた内容と違ったりしていてかなり時間がかかるんです…。
そんなときに利用するのはPerplexity!
Perplexityといえば王道タイプのAI検索エンジンとして知られています。Google検索だと各ページを見て回らなければいけなかったのが、Perplexityのおかげでかなりラクになりました。
本来、Perplexityはさまざまなサイトをソースとして検索結果を出してくるのですが、今回私がPerplexityに投げかけた質問はこんな感じ。
Lifehacker Japanの記事の中から「セルフパワハラ」に関連する記事を5つ教えてください。「セルフパワハラ」というワードがなくても、自己批判の有用性を訴えるものであれば大丈夫です。2018年よりも新しい内容に絞ってください
あまり知られていないのですが、Perplexityって情報ソースを指定すれば、指定したサイトのみから検索結果を表示してくれるんですよ。
コレって私みたいなライター職の場合、かなり助かります!
検索結果がコチラ。
記事タイトルとざっくりとした記事内容の要約が紹介されています。
「セルフパワハラ」って聞くと新しいワードな感じがしますが、ライフハッカージャパンでは昔から「自己批判」という形で記事化されていたようですね。
まとめ記事を執筆するには、だいたい3記事くらい用意しておけばOKなのですが、今回はPerplexityが絞り込んだ記事のなかから、さらに私が絞り込めるように5記事提示するように指示しています。
なんというかAIで「テーマに沿った情報を完璧に用意して!」とムチャ言うよりも、ある程度余裕を持たせるように使って、そのなかから人力で判断していく方が調子良いかも。
そんなこんなで記事執筆のなかで一番大変な「情報精査」がざっくりと終了しました!
人にもよりますが、これだけで30分の節約と考えると本当にありがたい…。
2. ChatGPTで動画の文字起こし
さて、まとめ記事を書くうえで必要な記事が絞れたわけですが、ライフハッカージャパンで記事化されていた「自己批判」系の記事は、どちらかというと「やりすぎには注意!」というタイプのものが多い模様。
そのため、今回「セルフパワハラ」というテーマに記事化するうえで「セルフパワハラってワードが話題だけど、間違ったやり方をするのは危険だよ」という方針に決定。
今回は5種類ある記事のなかから、以下の2本を選びました。
犯した過ちで自分を責めてはいけない理由 | ライフハッカー・ジャパン
自己評価が厳しい人がおちいりがちな「インポスター・シンドローム」を抜け出す方法 | ライフハッカー・ジャパン
「セルフパワハラ」記事の構成は以下のとおり。
(1)導入
(2)芦名氏の発言+「セルフパワハラ」の解説
(3)間違った自己嫌悪への警告
(4)正しい「セルフパワハラ」をするためのコツ
(5)まとめ
よくあるAI活用系の記事だと記事構成をChatGPTでつくらせるものが多いですが、今回私は自分で作成しました。
記事構成を考えるときって、なんやかんや自分で考えた方が早かったりするんですよね。ここは作業分担していきましょう。
その代わりにChatGPTには、芦名氏が「セルフパワハラ」について語っている動画の書き起こしをしてもらうことに。
使用するのはカスタマイズされたChatGPT「GPTs」のなかでも、YouTubeの動画を書き起こしに特化した「ユーチューブ動画ボット」。
似たタイプのGPTsは、そこそこ種類があるのですが個人的に試してみた結果「ユーチューブ動画ボット」が一番反応が良かったです。
使い方は至って簡単で、動画のURLとともに「この動画を文字起こししてください」と指示するだけ。
動画冒頭からガンガン書き起こししてくれます。ただ、動画冒頭の雑談部分から書き起こされていってしまい、このままだと「セルフパワハラ」に関する部分にたどり着くまで待たないといけません。
必要ない場所をいくら書き起こされても意味がないので、追加で「『セルフパワハラ』の部分を丸ごと文字起こししてください」と指示をしてみることに。
すると芦名氏が「セルフパワハラ」に関して話していた場所までスキップしてを書き起こしてくれました。
ChatGPTってクセがない王道AIであるがゆえに、一点突破なAIが増えてきた昨今ではちょっと影の薄さを感じていたのですが、GPTsも活用するとやっぱり優秀ですよね。
これも動画をチェックして、該当の場所を書き起こすとなると30分前後は節約できた気がします。
ちなみに、このあと私は文字起こしを確認しつつ動画を再チェック。問題がなかったので、書き起こしをうまく利用しながら自分でまとめました。
3. Claudeでブラッシュアップ
最後に使うのはClaude。
よく「一番日本語が上手な生成AI」なんて言われてます。それこそ「ChatGPTで記事構成→Claudeで記事化」という手順を紹介している記事も多い気がします。
確かにClaudeは日本語が上手ですが、私のようなAI初心者ちょい抜けたレベルの技術だと、指示が上手くできず、イチから記事を書くのであれば、正直自分で書いた方がラクなんです。
なので私の場合、Claudeは「ココ」っていうポイントで文章のブラッシュアップに使うようにしています。今回の記事では「段落の冒頭にヒキのある導入文を入れたい」と思ったので、先ほどPerplexityで絞り込んだ記事の一部分をClaudeに読み込ませたうえで以下のように指示しました。
下記の文章の導入として興味をそそる導入文を作成してください。導入文は80〜100字で1段落2文以内、フランクな口調で文章に関するあるあるを付け加える形で、読者から共感を呼び、興味がそそるようにしてもらいたいです。
するとこんな回答が。
うん、悪くない。指示どおりフランクな口調だし、そのまま導入文として入れても良さそうな内容です。
今回私はこの文章をうまく分割しながら記事内に組み込みました。
個人的に、AIに文章を考えてもらう利点って「自分じゃ出てこない語彙が手に入る」ことだと感じています。
使い勝手の良いところだけ抜き出して、細かいところは人力で。作業分担することで記事内容がブラッシュアップされたと言えるでしょう。
先ほども言いましたが、私は別にAIの専門家でもなんでもありません。そんな私でも、各AIの特徴を踏まえたうえで活用することで、大幅に業務がラクになりました。
AIの成長は凄まじく、めちゃくちゃ優秀ですが、なんやかんやで細かい作業は人力が必要です。
なので、AIに任せる部分と人がやるべき部分を正しく判断できれば、記事作成以外でも上手くAIと作業分担して、ムダな仕事を省けるかもしれませんよ!
Source: Perplexity, ChatGPT, Claude
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