WBC優勝でトロフィーを掲げる大谷翔平【写真:Getty Images】

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MLB選手会の専務理事トニー・クラーク氏が28年のロス五輪について言及

 2028年のロサンゼルス五輪では「野球・ソフトボール」が追加競技として登録された。メジャーリーガーの五輪出場は実現するのか――。MLB選手会(MLBPA)の専務理事を務めるトニー・クラーク氏が取材に応じ、「メジャーリーグ機構と話をしていく必要がある」と選手の意見を尊重する意を示した。

「野球・ソフトボール」が追加協議として登録されるのは、2021年東京五輪以来、2大会ぶり。現時点では、メジャーリーガーの出場は決まっていないが、フィリーズのブライス・ハーパー内野手が五輪への出場意向を示すなど、選手たちからも希望する声が寄せられている。

 クラーク氏は「現時点では、アップデートはない」としつつ、「選手たちの反応からするに、彼らは大会の一部になることに多くの興味を抱いている」と明かす。「機構も球団も、選手たちが参加可能かどうかに関して決断しなければいけない」と強く訴えた。

 今年7月に行われた球宴では、ドジャース大谷翔平投手も「野球界にとっても大事かなと思うので。個人的にも出てみたいなと思っています」と話していた。クラーク氏は「彼が興味を持っていることは知っている」と明かした。直接意見を交換はしていないものの、「我々はショウヘイの意見を大事にしていく」とサポートする姿勢を見せた。

 2023年の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、決勝で野球日本代表「侍ジャパン」が米国を下し世界一に輝いた。9回から大谷が登板し、最後はマイク・トラウト外野手を三振に仕留めて試合が終了する劇的なドラマが待っていた。

 MLBのロブ・マンフレッドコミッショナーは「それは継続中の話だ。まだどうなるか決まっていない。YESでもないし、NOでもない」と明言を避けた。クラーク氏は「国を代表する機会を得ることは、どんな時でも特別だ」と理解を示す。自身もタイガースなどでプレー経験があり、「私が選手として機会を得られなかったことの1つがそれだ。国のためにプレーできることの重要性を、私は尊重するし、理解している」と継続協議していくことを明かした。(川村虎大 / Kodai Kawamura)