30日、レバノンの首都ベイルートで、イスラエル軍の空爆による被害を調べる警察官ら=AP

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 イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は9月29日、レバノンでイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師が殺害されたイスラエルの空爆で、現地に軍事顧問として派遣していた准将が死亡したと発表し、イスラエルを強く非難した。

 准将は隊の作戦副司令官など要職を歴任したベテランだという。

 発表は報復に触れていないが、イランは昨年12月と今年4月、シリアでの空爆で准将が死亡した際、イスラエルの仕業だとしていずれも報復を行った。ファルス通信によると、アッバス・アラグチ外相は革命防衛隊司令官に書簡を送り、イスラエルが「報いを受けることになる」と伝えた。

 一方、イスラエル軍によるイエメンの反政府武装勢力フーシへの攻撃に関し、イラン外務省報道官は29日の声明で、イスラエルと米国を非難し、両国が「危険で予測できない結果に直接的な責任がある」と警告した。

 マスード・ペゼシュキアン大統領は29日夜の閣議で、親イラン勢力「抵抗の枢軸」へのイスラエルの攻撃で「次から次へと女性や子どもの虐殺が繰り返される」として、断固たる対応の必要性を強調した。

(テヘラン支局 吉形祐司)