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 日本テレビの定例社長会見が30日、東京・汐留の同局で行われ、俳優の松下洸平(37)が主演する漫画原作の新ドラマ「放課後カルテ」(土曜後9・00)について、昨年10月の「セクシー田中さん」に関する一連の問題を踏まえて言及した。

 原作のある作品の映像化を巡っては、同局が昨年10月期に放送した「セクシー田中さん」問題以降、作品との向き合い方に注目が集まっていた。同局は小学館の漫画雑誌で連載中だった作品「セクシー田中さん」を原作とするドラマを放送。その内容について、原作・芦原妃名子さんが制作側とのトラブルをSNSで告発。当初提示していた「漫画に忠実に描く」などの条件が反故になっていたと明かしていたが、その後投稿を削除し、急逝した。

 同局と小学館は調査チームを設置し、調査報告書を発表。同局の石澤顕社長は「ミスコミュニケーション」を認め謝罪し、「責任を持って取り組む」と宣言していた。

 取締役専務執行役員の福田博之氏は、「セクシー田中さん」後の漫画原作ドラマ制作について「指針にのっとっている。自分たちが目指す完璧にはまだ手が届いていないかもしれませんが、できることを1つ1つやっている」とコメント。10月スタートのドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(日曜後10・30)の台本を持参し、「台本の中にソーシャルメディア利用に関するお願いを必ず印刷して、出演者やスタッフが目に入るかたちで注意喚起。できることからやっている」と説明した。

 「放課後カルテ」は、松下が、地上波ドラマ単独初主演に挑戦する。講談社「BE・LOVE」所載の日生マユ氏による同名漫画が原作で、主人公は学校医として小学校の保健室に常駐することになった偏屈な小児科医・牧野。確かな観察眼で児童たちの“言葉にできないSOS”を見抜き、未来へ向かう子どもたちの背中を押すヒューマンドラマだ。

 番組の岩崎秀紀プロデューサーは、改編説明会で「メインキャスト、脚本家、監督、私プロデューサー含めてスタッフキャストが原作の先生とお会いして、キャラクターや世界観の醸成を行ってきた。漫画の世界観を全キャストスタッフが共有しながら、映像だからこそできる、子供の日常にあふれている“見えないSOS”を、ドラマとして表現していく」と、原作の世界観を大切に作り上げたと主張していた。