映画やドラマだけでなく、クイズ番組でも幅広く活動している宮崎美子さん。65歳を迎えた今もその輝きは衰え知らず、第一線で活躍しています。今回は、そんな宮崎さんに日々を楽しく過ごすコツや、年齢を重ねても続けたいこと、さらに、初めて挑戦したという「朗読」について伺いました。

宮崎美子さん流・毎日を「ごきげん」にするヒント

芸能生活40年以上のキャリアをもつ宮崎さんですが、そのハツラツとしたフレッシュな姿はデビュー当時のまま。エネルギーを保つために心がけていることはあるのでしょうか?

【写真】笑顔がすてきな宮崎美子さん

「毎朝欠かさずにラジオ体操をするようにしています。朝サボった日は夜に。真面目にやると結構のびのびするんですよ。ポイントは、(ラジオ体操)第1だけではなく、第2までやること。意外といい運動になりますね」(宮崎さん、以下同)

なんとラジオ体操の曲を流すための専用グッズまでもっているそう。さらに、最近は畑づくりにも挑戦中。畳一畳ほどの「農園」を借りています。

「本当にせまい貸しコンテナなんですが、季節ごとにいろいろ植えたりするのはわりと楽しみになっています。ちっちゃな種から、なんでこんなに大きく育つんだろうって、日々の成長を見られるのがうれしい。もちろん収穫も楽しみ。自分で育てたとなると、たとえば大根でも葉っぱも捨てたくないんですよね。無理してでも食べます(笑)。大量ですからね。もったいないっていうか…」

65歳で挑戦した「朗読」。大変だったけれども…

今回宮崎さんが新たに挑戦したのは“朗読”。これまでナレーションの仕事はあったものの、じつは朗読の仕事は今回が初めて。少し意外な気もしますよね。

「この歳になってもまだ初めて経験することってあるんだなって思いましたね。ナレーションなら長くても収録は6時間くらいですが、本を1冊読むとなると1日5時間を6日間という長丁場で…もうびっくり(笑)。朗読の録音は想像以上に大変で、本当にチャレンジだなと」

初の朗読に「よっぽどダメだったらダメだと言ってもらえるだろう」と、宮崎さんはスタッフに任せる気持ちで臨んだのだそう。

「朗読は、読み方に決まりがある訳ではなく、人それぞれのやり方に託されているんですね。私は高校時代の放送部の先生に言われたことを思い出して、自分が感じた登場人物を自分がこう読みたいと思った読み方で、自由に読ませてもらいました」

チャレンジ精神とお仕事への謙虚な姿勢、周りへの信頼はさすがベテランです。

「40年以上も長いことやっていますけど、やっぱり新しいことをやるときはドキドキします。でも、新しい楽しみ方がまた自分にも得られたなって思いますし、きっと年齢は関係なく、やってみることが大切なのかなって思います」

責任を感じながらも楽しんで演じた

宮崎さんが朗読したのは、Amazonが運営するオーディオブック(Audible)の『またうど』という作品。これまでさまざまな賞を受賞されている作家・村木嵐さんが書き下ろした新作小説です。本作の舞台は、江戸時代。時代小説ともあって、「イントネーションや漢字の読み方などわからないことも多く、苦労の連続だった」と振り返り、こうつづけます。

「朗読だと、一語一句真剣に味わいながら読みますよね。作家さんが自分で物語を編み出し、一つ一つ言葉を選び、それを組み合わせて人の気持ちを動かす。こんなにすてきなものをつくり上げることなんて、私にはできないですから。そこに書かれた言葉を音にする責任をすごく感じながらも、楽しんでやらせていただきました。声で読むことによって、新しい発見もあって、何十倍も味わえたと思います」

読書好きとしても知られている宮崎さんですが、これまで「聴く読書」は未体験だったそう。

「目で見るだけと耳で聞くのとでは、膨らみが違う気がします。聞いてくださる方もそうだといいなと思うし、なるべく私の声が邪魔しないようにしたつもりですが、ついつい気持ちが入っちゃって余計なことをしてるかもしれないです(笑)」

年齢を重ねても「素直」な気持ちをもっていたい

仕事やプライベート、さまざまなことに挑戦し続けることで、毎日をごきげんに過ごしている宮崎さん。今後はどんな70代、80代を目指しているのでしょうか。

「まだやったことがないこと、これからだってきっとありますよね。Audibleだって、そんなに前からあるものじゃないでしょ。この先だって、次々新しい楽しみや挑戦しがいのあることが出てくる。そこに巡り会えると思っています。魅力的なこととの出合いを維持できれば、チャレンジはまだまだできるはずですよね」

さらに、「仕事を通じて人と会い、世代を超えて新しい話題を知るのが楽しい」と話します。

「現場に行って、いろんな方と会ってお話できるのが、私にとってはいちばんの楽しみかもしれません。今若い人たちの中ではなにが流行ってるのかとか、どんなアニメを見ているのかとか。そういうのって聞いているだけですごく刺激になる。これからもお仕事をしていきたいのは、人と会うためかもしれないですね」

柔軟な姿勢と素直な気持ちを大切にする。それこそが、年齢を重ねても輝きつづけられる秘訣なのでしょうか。

「どうでしょう。でも、まだやってないことっていっぱいあるんだもの。それと、あんまり周りから言ってもらえなくなるでしょ。若い人には遠慮もあるだろうし。だから、言ってもらえる場はとっても大切。そうじゃないと自分では気づけない。

受け入れられないような人にはなりたくないというか。ガンコなお年寄りは少し敬遠されますよね。素直でいれば、新しいことも知ることができるし、自分でも気づいていない自分の中の新しいなにかと出合えるかもしれないとも思います」

好奇心いっぱいでポジティブオーラ全開の宮崎さんに、こちらまで明るく元気な気持ちになりました。秋からは朝の連続テレビ小説で主人公のおばあちゃん役として出演予定。これからも目が離せそうにありません。

<作品情報>
タイトル:『またうど』
著者:村木嵐
ナレーター:宮崎美子
配信日:2024年9月19日

衣装クレジット:ブローチ ¥88000、イヤリング ¥330000、リング ¥495000(すべてアジュテ ア ケイ)