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東北新幹線で19日、前代未聞のトラブルが起きました。走行中の新幹線の連結が、突然外れたのです。重大な事故にもつながりかねない事態は、利用客にも大きな影響を及ぼしました。

   ◇

不安そうに、改札の方面を見つめる大勢の人々。いたるところで駅員が、乗客への対応に追われています。中には、大きなスーツケースを手に、立ちすくむ人の姿も。

宮城・仙台駅にいた人
「新幹線、動かないので」
「いつ動くんですかね」

19日朝、東北新幹線の東京〜新青森駅の上下線で、一時、運転を見合わせ。宮城・仙台駅は、混乱していました。東京から仙台に向かう途中の栃木・宇都宮駅でも。

この混乱の理由は、走行中の東北新幹線で起きたトラブル。線路上で停車した赤い車両「こまち」。そこから離れた場所にも、別の緑の車両が停車。「はやぶさ」です。

もともと、つながっていた2つの新幹線の“連結”が、東京方面に向かっている走行中に外れ、分離したというのです。

反対側の線路を走っていた別の新幹線から撮影された写真には、今回トラブルを起こした緑の車両「はやぶさ」が、車窓の先にあるのが写っていました。連結部分の機器がむき出しになっています。

この写真が撮影された時、新幹線内では、次のようなアナウンスが…

アナウンス(東北新幹線 午前8時30分頃 宮城・大崎市)
「車両故障が発生しています。現在、状況を確認しています。この列車におかれましてJR社員おられましたら、車掌までお申し出ください」

今回のトラブルで、反対側を走る新幹線も緊急停止。新幹線内に“JRの職員がいないか”を、緊急で呼びかける、異例の事態となりました。

午後1時すぎには全線で運転を再開しましたが、約4万5000人に影響が出た今回のトラブル。東京駅から福島駅まで向かおうとしていたのは、シェフの男性です。

フレンチシェフ
「(弟子の)店のオープンのお祝いに行きます」

弟子が福島で飲食店をオープンするため、お祝いにかけつけるはずでしたが、新幹線が足止めに。そして、1時間後。

フレンチシェフ
「(新幹線が)出発を3時間遅れ」

新幹線が再開。今日中に福島に行けることを弟子に電話で報告すると…

福島で飲食店開店 弟子
「いや、なんか泣きそうです」

   ◇

今回、現場付近を走行していた新幹線は、時速約315キロ。いったい、何が起きたのでしょうか?

午前7時半すぎ、岩手県の盛岡駅で連結した「はやぶさ」と「こまち」。東京方面に向かって走り始めますが、8時7分頃、仙台駅より手前となる宮城県の古川駅から南に6キロほど進んだ場所で、連結が外れる事態に。線路上で停車しました。

鉄道の専門家が指摘したのは…

鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏
「電気のスイッチで(連結を)切り離すんですけど、それが走行中に作動してしまって、ロック解除されて連結器が外れた」

電気によって連結を操作しているという東北新幹線。ただ、今回は走行中に、その電気系統にトラブルが発生。ロックが解除されたことで、分離してしまった可能性があるということです。

鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏
「(分離した新幹線同士が)追突していた可能性もあるので、連結器が外れるっていうのは重大」

   ◇

JR東日本は、当時の運転士の行動として「いきなり自動でブレーキがかかり、何かあったということで非常ブレーキをかけた」と説明。その後、運転士がモニターをみたところ、分離していることに気づいたといいます。

詳細な原因はわかっておらず、連結して運転をする96編成全てを、目視で検査するということです。