【元大関・琴風の目】大の里に感じた少しの異変 それでもV確率は100%に限りなく近い90%だ
◆大相撲 ▽秋場所11日目(18日、東京・両国国技館)
大関昇進を狙う関脇・大の里が無傷11連勝を飾り、単独首位の座を堅持した。西前頭4枚目・琴勝峰を押し出し。昇進目安とされる「三役で直近3場所33勝」には12勝が必要で、これで“マジック1”とした。
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大の里に少しの異変を感じた。琴勝峰の当たりを受け止めた時、いつもより腰高になった。右を差して前に出た時も胸を張っていた。少し焦りがあるように見えた。無理もない。2度目の賜杯と大関という地位が手の届くところに来ている。勝ち急いでいるようだった。
あと4日、されど4日。千秋楽の結びの一番まで何が起こるか分からない。自分との闘い、眠れない夜などプレッシャーが襲いかかる。しかし、大の里には通過点にしかすぎないような気がする。その原因は両大関の精彩のなさだ。負け方が悪い。相撲に力強さがない。もう諦めムードなのか。星を落としても優勝争いを盛り上げるのが大関の責務。この調子なら大の里の電車道にのみ込まれてしまう。私は大の里の優勝確率を80%と書いたが、100%に限りなく近い90%に訂正する。
(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)