練習で選手に指示するJ1福岡の長谷部監督(右)

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 今季限りで退任するJ1アビスパ福岡の長谷部茂利監督が17日、雁の巣球技場(福岡市)で行われた公開練習後に取材に応じ、退任を決めた理由を「クラブが発展するために、私は去ったほうがいいし、私はここから自分の道を歩んでいく。そういうタイミングじゃないかと思い、決断した」と打ち明けた。

 14日の町田戦後、柳田伸明強化部長が「来季続投のオファーをしたが、話し合った結果、今季限りで退任ということで合意した」と説明していた。

 J2だった2020年から率いる長谷部監督は、就任1年目でクラブを5年ぶりのJ1昇格に導き、その後のJ1定着に貢献した。昨季はリーグ戦で過去最高の7位。YBCルヴァン・カップを制してクラブ初タイトルをもたらし、天皇杯全日本選手権でも初めて4強入りした。

 就任5年目の今季はリーグ戦8試合を残し、9勝11分け10敗の勝ち点38で12位となっている。「今季は少し結果が思わしくないこともあるし、点数を取れるチームに変えられることができていないのは事実。そこは責任も感じるし、そういったことも含めて一つ線を引く」と説明した。

 今季は残り8試合。リーグ戦で9試合勝ちがなく、21日にアウェーで18位磐田と対戦する。残留争いに巻きこまれないためにも重要な一戦と認識している。「残りの試合で巻き返せると思っている。まだ手の届く範囲に(目標の)6位以上はある。選手やスタッフ、サポーターも含めて皆さんでそれを勝ち取るんだという。自分はその一人に過ぎない」と、最後まで一体感を持って戦い抜く覚悟を口にした。