Appleはイギリスのテレビ視聴率機関と協議して、映像ストリーミングサービスのApple TV+に広告を導入する計画を進めているとThe Telegraphが報じています。

Apple TV plots UK adverts

https://www.telegraph.co.uk/business/2024/07/27/apple-tv-plots-uk-adverts/



Apple continuing work on ad-supported TV+ plan; in discussions about UK advertising - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2024/07/28/apple-tv-plus-ad-tier-work/

Apple may first roll out an ad-supported option in the UK

https://appleinsider.com/articles/24/07/28/apple-in-talks-to-bring-ad-supported-apple-tv-option-to-uk-us

Appleの幹部が直近数週間でイギリス国内のテレビ視聴動向を調査・分析するBARBと会談し、同社の映像ストリーミングサービスであるApple TV+に広告を追加する計画について話し合いを行っていると、The Telegraphが報じました。

BARBはBBCやITV、チャンネル4、Skyなどの放送局が共同所有しており、イギリスのテレビ番組の正式な視聴記録を提供している団体です。

Appleは視聴者がApple TV+を視聴する時間を計測しており、「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」や「セヴェランス」といったオリジナルコンテンツのデータを顧客に提供しています。

テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく - シーズン3 公式予告編 | Apple TV+ - YouTube

Appleは広告部門の強化のために2024年3月にNBCユニバーサルの元広告担当役員であるジョセフ・ケイディ氏を採用。また、Appleは過去にApple TV+上で広告を流したことがあり、2023年にはメジャーリーグサッカーの中継時に流れる広告枠を400万ドル(約6億1000万円)で販売しています。

しかし、Apple TV+に本格的な広告付きプランは導入されていません。一方で、すでにNetflixやAmazonプライム・ビデオ、Disney+といった大手映像ストリーミングサービスは広告付きの安価なプランを導入することで、自社の収益を上げながらユーザーの懐にも優しいプランを提供しています。Netflixの場合、広告付きプランの加入者数が2024年7月だけで34%も増加しており、2024年第2四半期の売上高も過去最高の96億ドル(約1兆5000億円)を記録しています。

Netflixは広告付きプランの月間アクティブユーザー数が1年で8倍になったことも明らかにしています。

Netflix広告付きプランの月間アクティブユーザー数が1年で8倍に - GIGAZINE



一方で、広告を導入したAmazonプライム・ビデオはユーザーから訴訟を提起されています。

Amazonがプライム・ビデオに広告を導入したのは法律違反だとしてユーザーが提訴 - GIGAZINE



AppleはApple TV+のオリジナルコンテンツの制作に200億ドル(約3兆円)以上を投じてきましたが、最近になって制作費を抑制し始めたことが報じられています。また、Apple TV+の加入者数の増加が鈍化していることも指摘されており、イギリスでは新規加入者数でトップを維持してきたApple TV+が、2024年第2四半期にはそのシェアを4位にまで落としたとThe Telegraphは指摘しています。