上司に決裁の承認をもらいに行ったら…

【映像】ため息が“アウト”になるのはどんな時?

 「はぁ〜」

 先に帰ろうと、挨拶をしたとき…

 「はぁ〜」

 職場などで不機嫌な態度が相手に精神的な負担を与える「不機嫌ハラスメント」、通称「フキハラ」。

 中でも問題視されているのは「ため息」だ。

 ため息はフキハラに該当するのか? 日本ハラスメント協会 代表理事の村嵜要さんは「たった一度のため息であれば、あくまで自然現象というところもある。ただ、これが2度、3度と頻度が繰り返されると精神的な負担が出てくるので、フキハラに該当する可能性がある。(フキハラの相談は)肌感覚では増えている印象がある」と答えた。

 ため息などの「フキハラ」は、国が定義しているハラスメントではないが、村嵜さんは職場での不機嫌な態度に警鐘を鳴らす。

 「(フキハラによって)報告・連絡・相談のホウレンソウが遅れる可能性が高くなる。上司の機嫌が悪そうだから今報告や相談はしない方がいいかなと思ってしまう。これは同じ立場の同僚間でも起こり得るため、誰もがフキハラをしてしまう可能性があり、誰もが被害にあう可能性もある」

 実際に「フキハラ」の被害を受けたという人もいる。

 「上司からではなく同僚や部下から受けた。不機嫌な態度を出して、頼んだ仕事をやってくれなかったり、やってくれたとしても時間がかかったり」(30代男性)

 一方で、とまどう声も…

 「ちょっとしたことでも昔は問題なかったことが今は大問題になる。それが非常にやりづらい」(60代男性)

 マイナスなイメージが多い「ため息」だが、実は良い面もある。

 京都橘大学 上北朋子教授は「ため息には呼吸を整える効果、区切りをつける効果、そして肺をストレッチする効果がある。ため息をつくことで難しい課題に対する持続時間や意欲が高まるという結果も報告されている」と解説した。

 タイミングと場所を選べばプラスの効果もあるからこそ、ため息をつく時は「フキハラ」にならないよう配慮が必要だ。

 村嵜さんは「業務量が多すぎる上司や管理職は精神を整えるためにため息をつきがちだ。できるだけ周囲に人がいないところでため息をつき、誤解を与えないようにして欲しい」と述べた。

※これはテレビ朝日「グッド!モーニング」で放送した内容をABEMA TIMES編集部で記事化したものです。