イングランドプレミアリーグでプレーする孫興慜(ソン・フンミン、トッテナム・ホットスパー)に対して人種差別的な冗談を言ったチーム同僚ロドリゴ・ベンタンクール(27、ウルグアイ)が、イングランドサッカー協会(FA)から懲戒を受ける可能性が高まっている。

英メディアのタイムズは21日、「ベンタンクールはFAから懲戒を受ける可能性がある。FAは今回の件を認知していて、懲戒するかどうかを決めるために調査中」と報じた。トッテナム情報を伝える「ザ・スパーズ・エクスプレス」も「FAがベンタンクールに対する懲戒をを考慮している。出場停止の懲戒を受けることもあり得る」と伝えた。

ベンタンクールは自国の放送で進行者から「孫興慜のユニホームをもらって来てほしい」という要請を受けると、「孫興慜のいとこのユニホームを持ってきても分からないだろう。孫興慜も彼のいとこも同じような外見だった」と話した。冗談を言ったのだが、「東洋人は同じような外見」という人種差別的な認識が表れた発言だった。

波紋が広がると、ベンタンクールはSNSに謝罪文を載せた。ベンタンクールは「ソニー(孫興慜)! 今回の件について謝りたい。私の言葉は悪い冗談だった。私がどれほど愛しているか分かるだろ? 決して無視したり傷つけたりしようというものではなかった」とコメントした。

孫興慜もクールに謝罪を受け入れた。孫興慜は20日、SNSに「ベンタンクールはミスをし、それを認知して私に謝った。私たちは依然として兄弟であり、何も変わっていない」と伝えた。

しかしベンタンクールが懲戒を避けるのは難しいとみられる。FAは競技場の外での人種差別事件にも懲戒してきた。2019年にマンチェスター・シティのベルナルド・シウバが同僚バンジャマン・メンディの肌の色を濃厚な茶色のスペイン菓子ブランドのキャラクターに例え、1試合出場停止と罰金5万ポンド(約1000万円)の懲戒を受けた。2021年にはマンチェスター・ユナイテッドのエディンソン・カバーニが黒人を蔑む時に使われる「ネグリト(Negrito)」という言葉を使用して3試合出場停止と罰金10万ポンドの懲戒を受けた。

ベンタンクールはウルグアイ代表チームの一員として米国で開催されるコパアメリカ2024に参加している。トッテナムは7月31日にソウルワールドカップ競技場でKリーグオールスターと、8月3日にはバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)と親善試合を行う。