リアルタイムAI検索エンジンを開発しているPerplexityが提供している機能の一部で、一部の報道機関の記事がAIにより要約されて必要最低限の帰属表示のみで提供されていると指摘されています。

AI Startup Perplexity Is Directly Ripping Off Content From News Outlets

https://www.forbes.com/sites/sarahemerson/2024/06/07/buzzy-ai-search-engine-perplexity-is-directly-ripping-off-content-from-news-outlets/

AI Startup Perplexity Says News Summary Tool Has ‘Rough Edges’ - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-06-07/nvidia-s-nvda-h100-chip-is-driving-the-ai-boom-what-is-it

It's perplexing how Perplexity's CEO feels about journalism and his own product

https://the-decoder.com/its-perplexing-how-perplexitys-ceo-feels-about-journalism-and-his-own-product/

報道機関の記事が表示されたのは、Perplexityが提供している「Pages」という機能の中でのこと。Pagesはユーザーのプロンプトに基づいてウェブページを生成する機能で、Perplexityはこの機能を「教育者が生徒向けの包括的なページを作成したり、研究者が自身の調査結果をまとめたレポートを作成して多くのユーザーが自分の研究に触れられるようにしたり、個人が自分の趣味を他の人と共有して熱意を伝えたりするのに役立つ」とアピールしています。

AI検索エンジンのPerplexityがユーザーのプロンプトに基づいてカスタマイズ可能なウェブページを生成する「Pages」機能を発表 - GIGAZINE



このPagesで作られたとあるページに、Forbesの記者であるジョン・パコウスキー氏が着目。Forbesが何カ月もかけて調査し公開した有料の独占記事が、Forbesの報道をまとめただけの別記事と混ぜ合わせたひとつの要約記事として表示されているとのこと。AIによる要約記事にはForbesの有料記事と同一の文言が使われ、帰属表示も適切ではないとして、パコウスキー氏はPerplexityを強く非難しました。





問題のページは以下。Googleの元CEOであるエリック・シュミット氏が、Project Eagleと呼ばれる秘密事業を通じ、AIを搭載した戦闘ドローンを密かに開発していると報じられた件についてまとめられています。

Eric Schmidt's AI Combat Drones

https://www.perplexity.ai/page/Eric-Schmidts-AI-boKJzWQcRFmCLk5XjgKJEQ

パコウスキー氏が指摘した時点では、ページ内の序文直下に「Sources」という文字が表示され、Forbesをはじめとするソース群が表示されていたようです。





記事作成時点で、「Sources」という文字はありません。



序文直下に表示されるソースとは別に、各パラグラフごとに「ソース」の文字と報道機関のロゴが表示されています。



「ソース」の文字をクリックするとサイドバーが展開し、ページのソースに当たる記事のURLが表示されます。



パコウスキー氏は、有料で公開している独占記事を使用し、ユーザーがあえてクリックしないと表示されないような方法でソースを表示する「Pages」について、明確な帰属表示はなく、「盗作」であると指摘しています。

Forbes以外にも、CNBCが作成した記事が引用されたページがあるものの、CNBCが記事の発行元であることはほぼ分からないとの指摘もあります。

これら指摘に対し、Perplexityの最高経営責任者であるアラビンド・スリニヴァス氏は、Pages機能がまだ新しく、「粗削り」な部分があり、より多くのフィードバックを受けて改善していると返信し、「ソースをもっと簡単に見つけられるよう、目立つようにすべきだというご意見に同意します」と述べました。