“出勤なし”“雇用関係なし”でお金を稼ぐ…50代から実践したい「令和のワークスタイル」とは【人材開発コンサルタントが解説】
どのように働き、どのように稼ぐのかを選択することができる今日において、人材開発コンサルタントの田原祐子氏は、稼ぎ方を考えることの重要性を説きます。自分に合った収入プランを探す「令和のワークスタイル」についてみていきましょう。田原氏の著書『55歳からのリアルな働き方』(かんき出版)より、一部を抜粋して紹介します。
あなたのこれからの「収入の目標」を決める
今の時代は、働き方&稼ぎ方も、じつに多くのバリエーションがあり、多種多様です。そして、ぜひ、50代い以上のあなたに考えていただきたいのは、収入プランとともに、目標の金額を達成するために、どのようにして稼ぐかという「ワークスタイル」です。
もしかすると、あなたはこれまで、「身体を動かして働くこと」「出勤して働くこと」「雇用関係を結んで働くこと」だけの範囲で、働き方を考えてきたかもしれません。
しかし、今の時代、時間・空間・雇用などに縛られない、自由な働き方が実現可能なのです。
・テレワークに代表されるように、「会社に出勤しなくても仕事ができる方法」もあります。
・「ギグワーク(GigWork)」と言われる、雇用関係を結ばない、単発・短時間の働き方もあります(※ギグワークとは、Gig=単発と、Work=働く、とを組み合わせてできた言葉です)。
・さらに、「ワイズ・マネー」を、身体を動かさず、頭を動かして、知識や知恵で稼ぐ働き方があります。
そして、このように「知識や知恵で稼ぐ働き方」は、かの有名な、経営の父と言われている経営学者のピーター・ドラッカーが、今から60年以上も前の1957年に出版した『断絶の時代』(上田惇生訳ダイヤモンド社)の中で、すでに予言していた働き方です。
ただし、そうかと言って、私は労働によって得られる収入を否定しているわけでは決してありません。
それどころか、AIに代替される仕事が増える中、人間対人間が直接触れ合う「ヒューマンタッチな仕事」は、ますます求められていくことでしょう。
そして、ヒューマンタッチな仕事においても、「思いやり、おもてなし、気配りができる」などの、優れたコンピテンシーを発揮できる人たちが求められ、まず一番に高単価で採用されることでしょう(実は、これも経験知の一種です)。
逆に、仕事に対する情熱もなく、作業として機械的な接客をしていたとしたら、同じ仕事でも、単価は低く見積もられることでしょう。
このように考えると、どちらにせよワイズ・マネーを稼げるようになれば、収入にも直結しており、「優位」にはなっても「不利」になることはありません。
50代から考える「令和のワークスタイル」
●これからどれくらいの収入を目指しますか?
・収入はこれまで通りで、もっともっと人生を楽しみたい
・収入はこれまでより少し多く、仕事で感じるストレスをなくしたい
・収入は下がってもいいから、なるべく仕事の時間を少なくしたい
・どんな仕事ができるか、いろいろな可能性にチャレンジしてみたい
・これからもバリバリ働いて、できるだけ多くの収入が欲しい
・思い切って起業したい
などなど、自由自在&多種多様なプランが考えられます。
●どれくらいの時間を収入を得るために使いたいですか?
・できれば、あまり仕事に時間を費やしたくない
・1週間のうち、1〜2回、短時間の勤務を望む
・仕事半分、自由時間半分という、イーブンのバランスで働きたい
・ウイークデイは、残業はしない程度に、普通に働きたい
・収入アップ&自分のモチベーションアップのため、なるべく多く働きたい
などなど、まさに多種多様です。人によっては、家にいても居心地が悪く、「働きに出るほうが、むしろ気がラクだ!」という方もいることでしょう。
●時間単価で働きますか? 時間単価でない働き方を選びますか?
ワイズ・マネーの一番の特徴は、従来のように決められた時間に出社して、「時間単価で働く」という働き方もあれば、自己裁量で、「都合のいい時間だけ働く」という働き方を選択できることです。
たとえば、ナレッジ派遣サービスや顧問サービスでは、交渉次第で、自分の都合のいい日だけ働くことが可能になります。
また、「時間単価でなく、仕事の成果にコミットして働く」という形で、報酬を得る方法もあります。こちらは、あなたの中の数ある強みや得意部分だけを切り取って、時間や空間に捉われず、成果というアウトプットだけで報酬をもらうことができます。
「出社して、人とふれあいながら、和気あいあいと働きたい」という方や、「家の中で仕事をすると捗らないし、健康のためにも出社したい」という方もいることでしょう。「妻から、『家にずっといないでくれ』と言われている」というような各家庭の事情なども加味しながら、自由自在に決めていけばいいのです。
田原 祐子
人材開発コンサルタント/ナレッジ・マネジメント研究者