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 元財務省官僚で信州大の山口真由特任准教授が6日、TBS系「ゴゴスマ〜GO GO!smile〜」(月〜金曜後1・55)にコメンテーターとして生出演。5日に行われた、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(60)が女性に性的行為を強要したとする「週刊文春」の報道で名誉を毀損(きそん)されたとして、発行元の文芸春秋と週刊文春編集長に5億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟の弁論準備手続きについて言及した。

 非公開のウェブ形式で行われた同手続きで、松本側は活動休止したことによる休業損害額を算出し請求する意向を示し、5億5000万円の損害賠償に上乗せする可能性を示唆。山口氏は「元々、5億円の慰謝料というのは凄く異例だなという感じはしました」と額の印象を語り、「もしかしたら、まずはこのくらいの規模で考えてますと出しておいて、今、実際休業が進んでいて、損害が今になって発生してる部分がある。そういうのを慰謝料から休業損害に付け替えるという可能性がないわけではないと思います。そして(慰謝料と休業損害の)合計を請求する」と解説。さらに、過去の判例と比較し、「慰謝料5億円は絶対に認められない。何百万単位以上で認められたケースがほとんどない」と付け加えた。

 また、松本側が4月末に提出した準備書面で、記事内で性行為を強要されたと訴えた「A子」「B子」の特定を要請していたが、今回、文春側からの回答はなかった。これについては「飲み会自体は肯定している。(松本さん)ご自身の中では(A子、B子を)この人だろうというのはある。それをあえて特定すると言ってるのは、訴訟が進んだ段階で実は違いましたというのが出てきたときに、それを避けるためなのか。何か別の意図があるのかなと思いますけど、ちょっと松本さん側の戦略が何かあるんしょうが、それがよく分からない」と首をかしげた。

 8月に再び弁論準備手続きが行われる予定で、文春側は「次回には具体的な主張と証拠を全て出す」としている。その後、裁判は口頭弁論や当事者尋問を経て結審、判決という流れになる。

 山口氏は「A子さん、B子さんが実際に法廷で証人尋問に立つかどうかは、この裁判において決定的に重要」と強調。週刊新潮に裏口入学と書かれて裁判で争った爆笑問題の太田光の事例を挙げ、「あれは入学コンサルタントが証言していない。裁判所は雑誌の記事はそんなに信用しない。だけど、裁判官の前で相手方の反対尋問に耐えた証人の供述は相当重く見ている。だから、A子さん、B子さんが出てくるかどうかは文春側の勝利を決定づける1つの要因になると思う。勝利するとしたら」と続けた。

 法廷に「A子」「B子」が出てくる場合、人物は特定されることになるため、「いつかのタイミングで特定しなきゃいけない。どうして文春は今の時点で(A子、B子を)言わないんだろうというのも分からないんですけど」と疑問を呈した。