吉川(中央)と巨人ナイン(C)日刊ゲンダイ

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 どうにも点が入らない──。

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 29日のソフトバンクとの交流戦第2戦も打線が沈黙した。七回まで2安打無得点に抑えられていた相手先発左腕の大関が降板した八回、代わったヘルナンデスのミスもあって無死二、三塁の好機をもらったものの、丸が見逃し三振に倒れるなど無得点。延長十二回に吉川のサヨナラ打で1−0で勝利したものの、阿部慎之助監督(45)は「本当に遠い1点だったなと思うけど、勝ったのでうれしい」と巨人としては今季最長の4時間29分の試合に疲労の色を隠せなかった。

 前日は0-2で今季8度目の完封負け。29日現在、114得点はリーグ最少。チーム打率.227もセ5位という低空飛行ぶりだ。すでに20試合連続4得点以下で球団ワーストを更新。24日に戸郷がノーヒットノーランを達成したものの援護は1点で、体調不良明けの菅野が七回1死まで無安打投球を見せた26日も援護点はゼロだった。

 巨人の元バッテリーコーチで評論家の秦真司氏がこう言う。

「中でも気になるのは坂本勇人(35)です。若い時は多少崩されても、強い下半身でグッと粘って安打を量産していました。最近はその下半身が使えていないように見える。衰えは下半身と目にくる。

 主力に依存しすぎる巨人は、これまでも世代交代に苦労した。歯がゆいのは、巨人コーチ時代に一緒に戦った吉川と松原の2人。この日の吉川のサヨナラ打は良かったですが、本来なら3割を打って中心になっていないといけない選手。

 外から見ていて感じるのは、弱点を突かれているのに、本人たちは気が付いていないんじゃないかということ。原監督の前政権の時から思っていましたが、周りの首脳陣が気付かせてあげられなかった。松原に関しては、原監督の時代にどんどん出場機会が減ってしまった。昨年はわずか21試合です。能力は高いだけに、もったいないですよね」

 巨人には定期的に「貧打」の時期があったが……。(つづく)

  ◇  ◇  ◇

 貧打に喘ぐ現状と重なるのが16年から3年間続いた高橋由伸政権だろう。

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