2023年はAIの年だった、と言っても過言ではないだろう。この新しいテクノロジーの出現と急速な発展は、拡大と変化と混乱が相まって形作られている、デジタル領域を象徴するような存在にも感じられる。一方で、デジタルの未来は不透明だ。市場におけるすべてのプレイヤーが、先の見えないなかでいかに足場を固め、次のステップへと進めるのか模索を続けている。DIGIDAY[日本版]恒例の年末年始企画「IN/OUT 2024」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブや次世代リーダーに2023年を振り返ってもらい、2024年に向けてどのようなチャレンジを企図し、次なる成長を実現しようとしているのか伺った。株式会社コーセー・宣伝部 メディア統括課の中村豪氏の回答は以下のとおりだ。

――2023年に挙げたもっとも大きな成果はなんですか。

俗人化していた組織体制を見直し、コミュニケーションの向上と効率化を実感した1年でした。私はプロダンスリーグ「D.LEAGUE」に参画している「KOSÉ 8ROCKS」というブレイクダンスに特化したチームの運営を行っているのですが、約4年前の怒涛の立ち上げであるいわゆるシード期からアーリー期を乗り越えて、その土台をさらに発展させる必要がありました。これまで少数精鋭でやってきた分、かなり人に依存してしまっていたので、人員の適正化、業務のマニュアル化、権限移譲、そしてチームや事業として目指すべきビジョンの認識の徹底など、組織として当たり前のことをようやく少し整えられたかなと思います。

――2024年に向け見えてきた課題はなんですか。

整えたとは言いつつも、まだまだ課題は残っております。特にダンスは感覚というか定性的な部分が多いので、ほかのスポーツのように定量で評価できない、つまり運営側としてはPDCAも回しづらいし、それを選手の年俸にも反映させづらいところがあります。視聴者にとっても納得性を持ちづらいので、サッカーや野球のような熱狂を生み出しづらいと感じております。そうなると、なかなか健全に発展していかないので、新しい技術を用いるなどして定量的な評価の仕組み作りにもトライしたいです。

――2024年にチャレンジしたい取り組みを教えてください。

「D.LEAGUE」での優勝を目指すのはもちろんですが、ついに、ブレイキン(ブレイクダンス)が新種目として採用された2024パリオリンピックが開催されるので、そこのモーメントを逃さないようにしたいですね。1年後、世の中の人にとってダンスやブレイキンが身近になり、今のダンサーたちが少し幸せになっている、そんな年になるといいなと。さまざまな取り組みを仕掛ける予定ですので、お楽しみに。

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Edited by DIGIDAY[日本版]編集部