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プロ野球DeNAが阪神との首位攻防戦を1勝2敗で負け越した。2023年7月11日に岡山・倉敷で行った初戦を2−7で落とし、翌日甲子園球場に乗り込んだ2戦目は4−5の惜敗。続く13日の3戦目は4−0で完封し、首位阪神とのゲーム差は2となった。

25年ぶりのリーグ優勝を目指して阪神を追走するDeNA。前半戦最後となった阪神との直接対決を終え、オールスター戦(7月19日・20日)が明けると後半戦に突入する。DeNAが優勝するためには何が必要なのか。J-CASTニュースは、巨人の戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

「監督自身がマウンドに行くのは珍しい」

橋上氏はかねてトレバー・バウアー投手(32)の実力、人柄を高く評価しており、優勝のカギを握る選手だとみている。

阪神との首位攻防戦では2戦目に先発し、7回3分の1を投げ113球、6安打5奪三振4失点と力投した。試合は8回無死1塁からバウアーが森下翔太外野手(22)に2ランを浴び同点とされ、9回1死満塁の場面でJ.B.ウェンデルケン投手(30)が森下に犠牲フライを許してサヨナラ負けを喫した。

橋上氏が注目したのが投手交代の場面だ。バウアーは8回1死2塁となったところで降板した。その際、ベンチから三浦大輔監督(49)が直接マウンドまで出向いて交代を告げた。橋上氏は三浦監督が取った行動の意味を次のように解説した。

「交代の際はだいたいピッチングコーチがマウンドに行くものですが、監督自身がマウンドに行くのは珍しい。バウアー投手の意思や色々なものを尊重している表れだと思います。色々な面においてチームの中での影響力が大きいということを認めている証拠でしょう」

後半戦に入ってもバウアーがチームに与える影響力は大きいと指摘する一方で、リリーフ陣の整備の必要性に言及した。橋上氏は「先発の投手力はしっかりしている」とし、次のように持論を展開した。

「このタイミングでリフレッシュさせるのもひとつの手」

「安心して継投策に移れるように山崎(康晃)投手(30)を筆頭にブルペン陣の整備が必要になると思います。山崎投手の復調を促すためにも違うポジションで起用するのもありだと思います。精神的にもかなりプレッシャーのかかるポジションですし。心身ともに疲労の蓄積は計り知れないものがある。年齢的にもまだまだですので、このタイミングでリフレッシュさせるのもひとつの手だと思います」

7月14日時点で山崎は32試合に登板して防御率3.90、20セーブ3ホールド5敗。守護神として復活を果たした昨季は56試合に登板して防御率1.33、37セーブ3ホールド2敗の成績を収めており、昨季と比べると防御率は高く、負けの数はすでに3つ上回っている。

橋上氏は抑えの候補にセットアッパーとして活躍する伊勢大夢投手(25)やウェンデルケン投手を挙げ、さらに今季中継ぎとして起用されている上茶谷大河投手(26)の可能性に言及した。

「三浦監督は上茶谷投手について色々な使い方をしている。先発陣がある程度枚数が揃っていれば上茶谷投手を先発に戻す必要はないでしょうから、抑えにもっていくというのもひとつの考えだと思います」

そして「上茶谷投手はここまで防御率は1点台で安定している。今は先発が早く崩れた時の接戦のロングリリーフという形でも使われている。それはそれで重要なポジションではあるが、他のチームと比べると先発がしっかりしているチームなので、ロングリリーフが必要になることはそれほど多くはないはず。そこに良い投手を置いていくのはもったいない気がします」と続けた。

セ・パ交流戦明けの阪神との首位攻防戦では3連勝を飾り首位に浮上。その後4連敗を喫し首位を明け渡すも、橋上氏は「今年は優勝の最大のチャンス。ここまで巨人やヤクルトが低迷していますし、DeNAの戦力の充実ぶりをみても大きなチャンス」と期待を寄せた。