笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00〜20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。6月10日(土)の放送は、前回 https://news.audee.jp/news/atntQBlocn.htmlに引き続き、ミラーフィット株式会社 代表取締役社長の黄皓(こうこう)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)黄皓さん、笹川友里


中国・湖南省出身の黄皓さんは、高校入学のタイミングで来日。早稲田大学を卒業後、三菱商事株式会社へ入社し、貿易事業に従事。その後、独立し、上海の貿易物流会社の代表取締役とサブスクリプション型パーソナルジム・エステ「BESTA」のサロン経営者を務め、2020年には、ミラーフィット株式会社を創業。また、恋愛リアリティ番組「バチェロレッテ・ジャパン」に参加し、2021年に放送された「バチェラー・ジャパン」シーズン4では、4代目バチェラーをつとめました。

◆退職からわずか半年で起業に至った経緯とは?

早稲田大学を卒業後、三菱商事に入社して貿易事業に従事していた黄皓さんですが、「今思うと、忙しさやストレスを理由に、毎日飲んで食べて不摂生な生活をしていた結果、どんどん好きじゃない自分になっていました」と回顧。

そして、ヘルスケア領域に興味を抱くようになったのは、商社を退職しようと決意した30歳のとき。当時は海外駐在中で、仕事にやりがいを感じてはいたものの「生きていてよかったと思えるような人生を送るには“ここじゃない”と思って、(やりたいことを見つけるよりも)先に辞表を出しました。会社を辞めて自分でいろいろと事業の種を探そうと思ったときに、“だらしない体をなんとかしよう”と思って興味を持ったのがパーソナルトレーニングだった」と言います。

まずカウンセリングを受けたときに“素晴らしいサービスだ”と感じたものの、半年プランの料金が、サプリやプロテインなどもすべて込みで100万円とかなり高額だったことで、「半年のプランに100万円も払うんだったら、自分で店を開いてトレーナーを採用して、友達を呼んだほうが稼げるのでは?」と思い立ち、そこでパーソナルジムを開業することを決意。

さらには、カウンセリングをしてくれたトレーナーをその日のうちに勧誘したことも明かし、「僕の頭を使ってあと1年、2年考えたところで何も変わらないし、やりながらいろいろなものを解決していこうと、そんな感覚でした」と語ります。

◆「MIRROR FIT.(ミラーフィット)」誕生のきっかけはコロナ!?

続いて、トレーニング業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)について聞いてみると、「ここ10年ぐらいで、予約システムやお客さまの健康をカルテに残していく文化がようやく普及し始めたと思いますが、問題はトレーニング自体がDXできていない」と指摘。

というのも、トレーニングジムにおいては“ジムに通う”という行動が常についてまわります。しかし、「その点については全然否定していなくて、ジムに行くまでの道のりが楽しかったり、そこの空間やトレーナーとのコミュニケーションが取れるなど、オフラインならではの良さもある。それらは素晴らしい体験なので、そこをなくそうとは思わない」と黄皓さん。

一方、忙しさなどからジムに通う時間が取れない人や“ジムに通ってみたい”という思いはあるものの、なかなか一歩踏み出せずにいる人などに向けた“選択肢も作るべき”と言い、「トレーニングのDXを“やらなきゃ!”と本気で考えた」と語ります。

そんな黄皓さんの気持ちを後押ししたのは“新型コロナ”でした。「お金の制限を取っ払ったことで新規の多くの方がジムに来てくれましたが、コロナが始まると“コロナが怖い”という理由で(ジムに)まったく来なくなりました。ですが、自分のジムがうまくいかなくなるという懸念はまったくなかった」と言います。

そして、「もし“コロナが一生終わらなかったり、人が家から出られないような生活がやってきたらどうしよう”と想像したときに、“僕がこの地球を救おう!”と本気で思ってDXを始めたんです。それがトレーニングのオンライン化だった」と振り返ります。

自身もYouTubeでトレーニング動画を観ながらトレーニングをしたり、インスタライブ(Instagram Live)を活用して無料でトレーニングを提供するなど、いろいろ試みたものの「やっぱり、リアルの価値を(オンラインで)提供しきれなかったし、私も感じきれていなかったので、“本気でやろう!”と思ったのが『MIRROR FIT.』(自宅に設置したミラーデバイスを通して、プロのトレーナーと本格的なトレーニングを体験できるサービス)でした。鏡(ミラーデバイス)の前に立てば、ジムに行くときの楽しさ、ジムで感じる空間の心地良さ、トレーナーとのコミュニケーションの楽しさを、再現もしくは超えていける体験を作るために、この会社を作りました」と語ります。

◆健康が当たり前になる社会を作るために…

コロナ禍では、ブーム的にオンラインのフィットネスに参入しようとする会社も少なくないなか、「私は“今ならこの業界がいける”というような、そんな生ぬるい考えではない」と声を大にします。

現に、これまで「MIRROR FIT.」の事業に5億円以上投入し、今年に入ってからは、さらに3.2億円を資金調達しており、「これらは広告費には一切使っておらず、すべてハードウェアの最適化やソフトウェアの開発に回しています。本気で世の中を変えようと思っています」と力を込めます。

そうした企業努力が実を結び、「MIRROR FIT.」はケネディクス株式会社の賃貸戸建住宅ブランド「Kolet(コレット)」に採用され、「MIRROR FIT.」が標準装備されたスマートホームが続々と増えてきています。

総じて黄皓さんは、「本当にやろうとしているのは“その先にある健康が当たり前になる社会”を作るためのインフラ作りだと思っているので、今からが勝負だと思っています」展望を語っていました。

次回6月17日(土)の放送は、株式会社HIKKY 代表取締役CEOの舟越靖(ふなこし・やすし)さんをゲストに迎えてお届けします。世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」についてなど、貴重な話が聴けるかも!?

----------------------------------------------------
▶▶この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック! http://www.tfm.co.jp/link.php?id=9052
聴取期限 2023年6月18日(日) AM 4:59 まで
スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です⇒ 詳しくはコチラ https://www.tfm.co.jp/listen/#radiko
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/