<注目銘柄>=オルガノ、半導体進化で「超純水」の成長路線は不変

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 オルガノ<6368.T>は半導体市場の先行き懸念が重荷となるなかでも下値では押し目買いを集めている。豊富な受注残を支えに業績が拡大基調を続けるとの期待は高く、上値を試す展開が見込まれる。

 半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>による巨大半導体工場の建設が進む熊本県や、国産先端半導体のラピダス(東京都千代田区)が工場建設予定地に選んだ北海道は、良質な水が安定的に調達できる場所として知られている。その水を半導体製造工程に活用するうえで、同社の超純水装置が欠かせない。

 23年3月期の連結業績は、売上高が前の期比24.9%増の1400億円、最終利益が同24.9%増の115億円と大幅な増収増益の見込みとなっている。水処理エンジニアリング事業では国内や台湾での大型プロジェクトの受注に成功したほか、車載・パワー半導体関連での顧客の大型投資も追い風となり、第3四半期累計(22年4~12月)における同事業の受注高は前年同期比28.1%増の1092億800万円と好調だった。

 直近でTSMCが今期の設備投資を減額する計画だと伝わった後も、オルガノ株は3100円近辺で下値抵抗力をみせた。半導体の回路線幅の微細化や積層化には、極めて純度の高い超純水の供給が不可欠となるため、同社の技術競争力を十分に発揮できる分野と考えられている。株価に下押し圧力が掛かり、25日移動平均線(20日時点で3343円)を下回る局面では反発機運が強まることが見込まれる。07年の上場来高値(3875円)を更新すれば上値余地がさらに広がりそうだ。(碧)

出所:MINKABU PRESS