女性アナウンサーの恋愛・結婚事情をフジテレビ・佐々木恭子アナウンス部長に本音で聞いてみた

1996年入社で、現在はアナウンス室の部長も務める佐々木恭子アナウンサーは、男女2児の母。2013年に入社し、2021年に結婚した、まだまだ新婚の三上真奈アナウンサー、そして2022年4月入社の新人、岸本理沙アナウンサーの3名とともに、働く女性の本音トーク! 前編は新入社員の岸本アナ目線で、女子アナの恋愛・家庭事情を掘り下げる。

仕事と家庭とのバランスは?

佐々木 岸本さんは今年入社して、もちろん独身だけれど、既婚で働いている私たちに聞きたいことがあったら、どんどん質問してね。

岸本 では…、結婚と仕事って両立できるものですか?

佐々木 お、いきなり来たよ! じゃあ、新婚の三上さんから。

三上 私は結婚して1年ちょっとですが、そもそも新婚っていつまでなんですか?

佐々木 ワクワクキュンキュンしている間は新婚なんじゃないかな。で、日常を動かすのがプロジェクトになると、それはもう家族だと思う。

三上 じゃあ、私は新婚で(笑)。そうですね、思っていたよりも変わらないかもしれません。まだ子どももいないし。今、家事は分業制なんです。基本的に私は食事の支度と洗濯担当で、夫がそれ以外(笑)。

佐々木 それは話し合って決めたの?

三上 私が結婚するまで実家暮らしだったので、最初はお料理するだけでいっぱいいっぱいになってしまったんです。そのうちに、いつの間にか夫が洗ってくれるようになって「お皿洗い担当大臣!」って呼び始めて(笑)。でも、子どもができたら変わるんでしょうね、きっと。

佐々木 うん、劇的に変わる。

三上 何が一番大変ですか?

佐々木 育児はずっと大変なんだけど、小さいうちは、命を守るケアが大変。とにかく食べさせなきゃ、ゲップさせなきゃ、お風呂も入れなきゃって…あたふた。でも、これらは「誰か」がやってあげなきゃならないことで、もう少し大きくなると「親が」向き合わなくてはならないことが増えてくるのよ。友だちとの人間関係とか、悩みを聞いたりとか。でもね、大変なことより楽しいことのほうがずっとずっと多いよ。

岸本 たとえば自分が持っているエネルギーが100だとしたら、家庭と仕事、どのくらいの割合で注ぎ込んでいらっしゃるんですか?

三上 今は50:50かな、私は。

佐々木 私はね、どっちも100でいたいと思っていたの。でも、両方とも70くらいしかできなくて、すごく悩んだ時期があったのね。子どもがいるからできない仕事もあったし、子どもと向き合う時間も少ない。どっちも中途半端だ、私…って。でもある時、「70と70、足したら140じゃん!」って気づいて、そこからは楽になれたかな。仕事で落ち込むことがあっても、家に帰ると子どもたちがいて楽しい。子どものことで落ち込んでも、仕事があるからよかった、みたいな感じでバランスが取れている感じがする。

岸本 すごいです…!

佐々木 でも疲れるよ(笑)。帰って、子どもたちに「あれとあれとあれやってね、じゃあ、おやすみ」って床に倒れて寝落ちしちゃうのなんてしょっちゅうだし。

三上 ええっ、意外! 恭子さんって、ちゃんとベッドで寝て、寝相も良さそうなのに!

佐々木 すっごくだらしないの、自慢じゃないけど。(笑)どこでも爆睡できるし、パッと起きて動き出す、みたいな生活よ。

20代は、あっという間

岸本 将来的に結婚したいという気持ちが強いのですが、アナウンサーの結婚適齢期っていつだと思いますか? 母が25歳くらいで結婚しているので、私もそれくらいでしたいんです。

三上 25歳なんてもうすぐだよ(笑)。私も新入社員の頃から早く結婚したいと思っていたけど、あっという間に30歳になっていました。

佐々木 結婚したのが31歳だっけ? 女性アナウンサーでいうと、それくらいで結婚する人が多いよね。20代は仕事が楽しすぎて、ものすごいスピードで過ぎちゃう。若い女性アナウンサーから「どのタイミングで結婚して、どのタイミングで子どもを産むのか悩んでます」って相談を受けることもあるのだけれど、「したい」と思ったときがそのときだと思うの。

三上 岸本さんは、どういう人と結婚したいの?

岸本 お互いに、自由でいられる人がいいな、と思っています。仕事を続けるかどうかも、私の意思も尊重してくれるような。

佐々木 三上さんはご主人と、どんな感じなの?

三上 同い年だし、親友みたいな感じなんですよね。仕事のことも、それ以外のことも、一番何でも話せる相手。家に帰ると1日の出来事をずーっと聞いてもらってます。口数が少ない人だから「うん、うん」って。

佐々木 女性アナの夫って、だいたい無口なのよ。そして、どんどん無口になるからね(笑)。

三上 だんだん聞き流す能力を身につけますよね(笑)。相づちは打つけど、聞いてない! 仕事については「働いてもいいし、今すぐ辞めてもいいし、好きなようにしていいよ」って。

岸本 うわ~~~! すごい理想です~~!!

三上 うふふ、新婚ですから!

家庭という重しがあるから頑張れる

佐々木 私の場合、結婚・子育てを経て、働くことへの純度は年々高くなっているような気がするの。

岸本 どういうことですか?

佐々木 結婚して、子どもが生まれて、家を買うと、ローンというものを背負うことになるじゃない? 子どもが大きくなると教育費もかかるようになってくる。そういう重しがあったほうが、私は仕事に意欲的になれる。

三上 家族のために、みたいな?

佐々木 そう。あとね、私は学生時代から「柱がたくさんある人生が欲しい」って思ってたのね。今の私には、家庭という柱、アナウンサーという柱、去年からはアナウンス室部長という管理職の柱があって、だからこそしっかり支えられている感じがするんだよね。

三上・岸本 かっこいいです!!

佐々木 あ、かっこよかった? あんまり言われたことないんだけど(笑)。でも逆にいうと、ひとつのことを突き詰めて、細かいところまでちゃんとやるのは苦手なの。だから、匠の職人さんとかには絶対になれない。雑だから。

岸本 私はひとつのことに全力投球してしまうタイプなので、さっきの数字でいうと、今は仕事が100なんです。

佐々木 100!? 全部なの!?

岸本 いえ、嘘つきました、90です(笑)。趣味もあるので。でも、これからは私も柱を増やしたいです。

佐々木 いいのよ、人それぞれで。私みたいに複数の柱があったほうがいいタイプと、一本の柱を太くしていくほうが合っているタイプがいるんだから。三上さんは、これからのことをどんなふうに思い描いているの? 仕事も家庭も含めて。

三上 いつか家族が増えたら嬉しいな、と思いますし、それが仕事にもいい方向で繋がっていくのが理想ですね。私が結婚の報告をしたときに恭子さんが「ここからのほうが楽しいよ」とおっしゃっていたし。

佐々木 そうなの。独身の頃は情報番組とか担当しても、どこか自分自身にはリアリティがないと思っていたのね。でも結婚して、光熱費や家賃を払ったり、夫と家事の分担をどうしようとか相談したりして初めて、ようやく地に足が付く感じがしたの。子どもとの生活も含めて。いつか、三上さんにも、そして岸本さんにも、そういう感覚が実感としてわかるときが来ると思うな。もちろん、どういう人生を歩むかは、それぞれの選択で、正解はないけどね。

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取材・文/工藤菊香 撮影/神田豊秀