「病的に反対するな」「被災地で処理せよ」震災ガレキ受け入れめぐって激論 - BLOGOS編集部
※この記事は2012年02月21日にBLOGOSで公開されたものです
宮城県気仙沼市の震災ガレキの山（2011年5月、撮影：安藤健二）
そんな中、静岡県島田市が岩手県山田町のガレキを試験的に受け入れ、16日朝から焼却が行われました。現地や周辺では、放射線量の測定や、受け入れに反対する住民が集まり、抗議活動が起きています。
これを受けてBLOGOSでは、「震災瓦礫の受け入れに賛成？反対？」というウェブアンケートを実施。読者の皆様のご意見を募りました。2月21日15時現在で291件と圧倒的な数の投稿が寄せられています。賛否両論、様々な意見の応酬となりました。
賛成派の方の多くは「放射線濃度を計った上で汚染の恐れがない物だけを受け入れるのだから、ヒステリックに反対することはなく、負担を分かち合うべき」という物でした。それに対して反対派からは「放射性物質の安全基準があいまい」「放射線汚染のレベルに関わらず、災害発生地域で集中処理をするべきだと思う」と警戒する意見が出ています。
賛成派と反対派の方の主な意見をまとめてみました。
＜ガレキ受け入れに賛成の意見＞
放射線濃度をきちんと測定して持ち込んでいるのだから何の問題もないでしょう。被災地のがれきだからと病的に反対する方がおかしい。（n___w氏）
受け入れ賛成です。放射線測定で基準値以内が判っているのに拒否をする住民は、戦前に感染症患者用病院を追い出そうとした地域住民と、同じに見えます。テレビで見ていましたが、あそこまで自己の意見のみに固執する姿は、実に醜い。利己主義に固まった、人間の一番醜悪な姿と感じました。
尚、低レベル放射能についてはかなりの誤解が広まっています（広めている人物や組織もはっきりしています）。事故当時の政府及び原保院の発表が二転三転し信用度が下がったのが最大の原因でしょうが、まず反原発主義ありきでは話にもなりません。主義主張で科学的事実を歪めないでいただきたいものです。（euphozilla氏）
放射線量の測定と測定結果を公開したうえで受け入れると言うことでいいんじゃないですか。瓦礫受け入れに反対する人は自分の目で見て、また、自分の手で放射線量を測定して確認してもらえばいい。「そんなことをしたら被曝するからいや」と言うのかな。
まあ、瓦礫受け入れ反対の人は数値がいくらであっても反対するんでしょうけどね。こんな狭い日本に住んで居ながら「汚染されていないところまで汚染させる必要がない」などと言う人がいるのは悲しいことだ。何処住んでいても多かれ少なかれ福島原発の影響は受けているはずなのに。ほんと、日本人の ”ひとを慮るこころ” は何処に行ってしまったんだろうね。（masaaki_hirotoshi氏）
消極的理由ですが賛成です。批判を覚悟して申しますと、廃棄物処理のための工業用地として福島第一原発周辺の避難地域を買い取り、使用することがコスト的に最適だと思います。しかし、除染して再入居させる方針もあり、避難民の対応が迷走している今段階においては、各自治体に回さざるを得ないということでしょう。各自治体に瓦礫をまわすことは政権的にも悪手だと思いますが・・・民主党の考えは良く判りませんね。（nurup氏）＜ガレキ受け入れに反対の意見＞
震災がれきの処理は放射能汚染のレベル如何に関わらず、災害発生地域で集中処理をするべきだと思います。市民の反対を押し切って日本各地へ分散する理由はなんでしょうか。これを思いやりなんて言葉で誤魔化すのではなく、正当な理由があるのなら、政府はそれをもっと理解させる努力をするべきです。
私は、そうした正当な理由はなく、なんらかの裏事情があるのではないかと勘ぐっています。それでなければ住民の反対を押し切って受け入れることになるはずがないからです。がれき処理に伴う予算がどう配分されるかも絡んでいるでしょう。また、放射能汚染のレベルに関しては国の規準値だけではなく、住民の賛同を前提にするべきです。心理的な抵抗が残ったままの強引な地方分散は反対です。（葛西洋志氏）
■放射性物質が１キロあたり１００ベクレル以下のきわめて厳しい基準を厳格に運用
■搬送においても十分な防護体制を確立
■複数人による各工程ごとのダブルチェック
■周辺域の放射線量を２４時間リアルタイムで監視する。市民も独自に監視し、ちょっとでも数値に変動があれば処理を中止することができるような体制作り。
これらが全部できなければまず受け入れを素直に支持はできない。（mats5252氏）
絶対に反対です。復興支援なんて名ばかりです。先日、石巻に行って来ました。まだ津波に流された車や、倒壊した家屋、墓石など沢山でした。その中で瓦礫の処理はまだまだそのままでした。瓦礫を広域処理することで、その瓦礫を受け入れる自治体には巨額のお金が落ちます。瓦礫処理は国の公費から賄われるので、変な話、受け入れれば受け入れただけ自治体にお金が落ちるようになっています。それが果たして復興支援と呼べるのでしょうか？
放射性物質の安全基準も曖昧ですし、本当に被災地を支援する目的と言うのであれば、受け入れを表明している各自治体は処理費を受け取らないで欲しいと思います。そのお金が被災地に回れば、復興住宅建設に回せますし、その建設にあたり雇用創出することも可能です。（WEB政党－つくる会－）
危険は、放射能だけではありません。被災地のがれきには、大量のアスベストが含まれている危険があります。特に、沿岸部では、石綿スレートなどの建物が多く、本来であれば、厳格に管理されて解体処分されるべき建物が一緒くたに破壊されているのです。不用意に運搬すれば大量のアスベスト粉塵をまき散らすことになるのです。焼却しても灰の中のアスベストはなくなりませんから、同じように、環境汚染の危険があります。
アスベストは強力な発がん物質であり、現行の規制の中でも、厳格に管理されることを求められています。残念ながら、地震がれきにおいては、アスベストを分別することは出来ません。がれきの拡散は、アスベストの拡散、汚染を広範囲に亘って惹起する危険があります。現地で、埋め立て処理などの方策を考えるべきです。（En May氏）
