※この記事は2011年12月24日にBLOGOSで公開されたものです

2011年3月22日に自由報道協会で会見を開いた石原慎太郎氏（撮影：野原誠治） 写真一覧
BLOGOSで振り返る2011年：4月
　石原都政の継続か転換かが問われた東京都知事選は4月10日、現職の石原慎太郎氏が元宮崎県知事東国原英夫氏、元ワタミ会長渡辺美樹氏ら10人の新人に圧勝し、4選を果たした。【文：安藤健二（BLOGOS編集部）】

紆余曲折の末に出馬表明

　石原知事は直前まで続投か引退かについて、はっきりとした意志を表明せず、今年初めには「もう辞めるから」と引退を示唆したこともあった。不出馬の観測報道が流れる中、次々に新人の立候補者が名乗り出た。元参院議員で共産党推薦の小池晃氏、大手飲食店チェーン「ワタミ」前会長の渡辺美樹氏、神奈川県知事の松沢成文氏、そして前宮崎県知事の東国原英夫氏と、そうそうたる顔ぶれだった。

　元タレントで知名度が高い東国原氏が有利と思われたが、東日本大震災と同日の3月11日に、石原氏が突如として出馬表明。「150％（知事選に）出るつもりはなかったが、もろもろ考えて出ざるを得ないと判断した」と説明した。これを受けて後継者と見られていた松沢氏は出馬を辞退に追い込まれた。

　石原氏は3月14日、東日本大震災に関して報道陣に答えた内容が波紋を呼んだ。
「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を１回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」
　この発言に対して、「絵文録ことのは」を主催するブロガーの松永英明氏は翌日のエントリーで、
この失言一つだけでも辞職してしかるべき大失言だ。そして、このような言葉づかいしかできないというのでは、作家としても都知事としても不適格であるのみならず、人間としても失格である。
と極めて強い論調で批判した。

　しかし、石原氏は261万票を得てトップ当選。2位の東国原氏に100万票近い大差をつけ、根強い支持を見せ付ける結果となった。

　年末には石原知事を党首とする新党構想が動き出した。国民新党の亀井静香代表らが、「たちあがれ日本」や民主、自民両党の一部議員にも参加を呼びかけ、来年1月以降の結党を目指している。すでに石原氏は79歳だが、政界の「台風の目」となるインパクトは残っているだろうか。

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