※この記事は2011年12月24日にBLOGOSで公開されたものです

2011年5月、岩手県大槌町の民宿の2階に乗り上げた観光船「はまゆり」 写真一覧
BLOGOSで振り返る2011年：３月
　未曾有の大災害となった東日本大震災。2011年3月11日は、日本の歴史に痛ましい記憶とともに刻みこまれるに違いない。午後2時46分ごろ、三陸沖でマグニチュード9.0の大地震が発生。宮城県栗原市では最大震度7に達した。東北地方の沿岸部では高さが最大40メートルに達する巨大津波が発生。三陸の港町を次々に飲み込んだ。死者・行方不明者は約2万人。未だに遺体が見つかっていない人も多い。【写真・文：安藤健二】

情報がないことへの不安

　大津波をかぶった東京電力の福島第一原発では、全電源を喪失して原子炉を冷却なくなった。次々に炉心溶融（メルトダウン）して、建屋の天井は水素爆発で吹き飛ばされ、大量の放射性物質が空中に放出された。これにより、原発のある浜通り地域を中心に、周辺一帯の福島県住民は長期の避難を強いられている。火力発電所等でも損害が出たため、東北と関東は深刻な電力不足に陥り、計画停電が実施された。

　こうした事態に、3月は情報を求めて普段の2倍以上もの人がBLOGOSに押し寄せた。未曾有の国難に立ち向かうために、ブロガーからも活発に意見が出された。BLOGOS編集部も節電で真っ暗になったオフィスで、かじかむ手でPCに向かった。

　震災当時、被災地では「情報がないことに対する不安」が極めて大きかったという。宮城県のローカル紙「河北新報」の佐藤和文メディア局長は、本紙のインタビューで次のように答えている。
電話、携帯、インターネットがこういう災害のたびに途絶えてしまう。私自身は、こういうことを放置してはいけないと心から思います。
　震災から9カ月が経た12月16日、野田佳彦首相は福島第一原発の事故収束を宣言。「冷温停止状態を達成した」と会見で言い切ったが、多くの住民が避難を余儀なくされたままで、海外メディアからも批判の声が上がっている。

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