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長期にわたって借金を返済せずに滞納した場合、財産が差し押さえられてしまう可能性がある。多くの場合においては、まずは債権者から督促状などが届き、これを放置していると借金の返済を求める裁判を起こされることになる。

弁護士ドットコムにも、借金を滞納していたために訴訟を起こすという書面が届き、今後について不安を抱えているという相談が寄せられている。

相談者が心配しているのは、敗訴した場合に差し押さえられてしまう財産の内容だ。フィギュアなどのアニメグッズや中古のギター(3万5000円で購入)も差し押さえの対象になるのではないかと不安を感じているという。

実際に差し押さえとなった場合、どのような財産が対象になるのだろうか。小松雅彦弁護士に聞いた。

●ギターやフィギュアは差し押さえされない?

ーー裁判ではどのような判決が出る可能性がありますか。また、実際に差し押さえの対象となるのは、どのような財産でしょうか。

裁判では「請求額を全額払え」との判決が出る可能性が高いでしょう。判決通り支払いができないと強制執行されることがあります。

ただ、預金の差し押さえは時々されますが、家財道具の差し押さえがされるケースは最近はあまりありません。

また、生活に欠くことのできない衣服、寝具、家具等は差し押さえ禁止財産ですし、差押物を売却しても手続き費用を超える見込みがないときは差し押さえができません。

ーーでは、ギターやフィギュアはいかがでしょうか。

ギターは価値が低く差し押さえされないでしょうし、フィギュアは明らかに高額なものと判断されるもの以外は差し押さえされないでしょう。費用対効果を考えて、債権者も動産差し押さえを避けるようになったのではないかと思います。

●「強制執行」されないために…できることは?

ーー差し押さえを避けるためには、どうすればよいでしょうか。

まず、裁判で分割の和解をして、きちんと払っていくという方法があります。ただし、分割の和解をしても支払いができなくなり、それがある金額に達すると、残額全額の支払い義務が直ちに発生し、やはり強制執行がされる危険が出てきます。

そもそも、強制執行されるかもしれないとビクビクして暮らすより、自己破産をすることをお勧めします。家財道具については、たとえば東京地裁は破産手続きにおいて原則として換価しないこととしています。 

【取材協力弁護士】
小松 雅彦(こまつ・まさひこ)弁護士
後見・相続・遺言を多数取り扱う。「気軽に相談できる、親しみやすい法律家」をモットーに身の回りの相談にも対応している。薬害エイズ事件やハンセン病国賠事件、薬害肝炎事件なども担当した。
事務所名:多摩オアシス法律事務所
事務所URL:http://komatsu6.com/