『ギンザマン』の肉まん | 食楽web

 冬本番。ホカホカの「肉まん」が最高に美味しい季節です。

「美味しい肉まんがある」と聞けば、東西南北、電車&バスを乗り継いで買いに行く“肉まん好き”を公言していたら、先日、知人から面白い情報を入手しました。「銀座の高級クラブのママやホステスさんから絶大なる支持を得ている“肉まん屋”がある」と言うのです。

 銀座を歩いていると、ヘアメイクをバッチリ決めた着物姿やドレス姿の女性を見かけることがありますが、あのママやホステスさんたちが、地味な肉まんをハフハフと頬張ることを想像するだけで楽しくなります。さらに、その肉まん屋は『ギンザマン』という、まるで映画か漫画のタイトルのような名前なんです。かなり興味を惹かれ、さっそく行ってきました。

銀座らしい太っ腹な常連客にびっくり

『ギンザマン』の創業は2008年

『ギンザマン』が店を構える銀座8丁目に着いたのは陽も落ちた夕方。実はこのお店、開店が16時30分からで、平日は深夜1時半まで営業しているんです。到着して早々、目にしたのは、まさに着物姿の女性が、肉まんを大量買いしている光景。聞けば、近くのバーを経営しているママなのだそう。

「よく常連様にお土産でここの肉まんをいただくんです。小腹がすいた22時頃に、熱々のを差し入れしていただくと最高に幸せ。みんなで『まぁ! 嬉しいっ』て、接客そっちのけでパクパク食べちゃうんです。とっても美味しいんですよ」と教えてくれました。

 さらに、「大きいタイプの“大豚まん”をよくいただくんですが、今日は“小豚まん”を買って、開店前にみんなで腹ごしらえするんです」と嬉しそう。

ミニ黒豚まん130円、青菜まん120円、炭火焼き鳥まん250円、干貝焼売は5個で550円、海老焼売は3個で550円

 ギンザマン店主の林寿樹さんによれば、「一番忙しい時間帯は深夜0時前後。自宅やお店のお土産に買われる方や、クラブを経営している社長さんがスタッフの夜食用に買って行かれることも多いです。場所柄か、太っ腹なお客さんが多くて、“適当に見繕って”と1万円札をポンと出す人や、30個ちょうだい、なんて具合に“数”で買う方も多いんですよ」とのこと。銀座は、やはり肉まんに対しても“ケタ外れ”なようです。

肉まんは、中の餡に合わせて、周りの生地の味も少しずつ変えているそう

 となれば、肉まん好きな筆者もバーンと1万円札を出したいところですが、そこは身のほどをわきまえて、「鹿児島黒豚マン」(590円)と「ギンザマン(五目まん)」(490円)、「カレーまん」(480円)という3つの“大豚まん”を購入してみました。

皮の味わいも全部違う肉まんはさすがの味!

ミニセイロを使ってふかしてみます。ちなみに大豚まん1個の蒸し時間は、冷蔵の場合は15~20分、冷凍の場合は20~25分

 持ち帰った大豚まん3つをさっそく1個ずつ蒸籠でふかします。20分ほどすると、皮がふっくらして大きくなり、肉まんから湯気が立ち上り、めちゃくちゃ美味しそう。

「ギンザマン(五目まん)」(480円)

「ギンザマン」はずっしり180gもあります。熱々フカフカの皮を割ると、中からうずらの卵、エビ、しいたけ、キャベツ、さらに鹿児島産黒豚といった具材がぎっしり。皮は見た目通りどっしりした食感で、味わいは淡白。そのおかげで中の具材一つ一つの味を感じることができ、食材の豊富さも相まって、なんとなく中華弁当を食べているような気分になってきます。

 そういえば、ご主人の林さんが、「中の餡に合わせて皮の味や食感を全種類、変えている」と言っていました。では「カレーまん」の皮はどんな感じなのでしょう?

「カレーまん」(480円)中のキーマカレーは大人っぽいスパイシーな味わいです

「カレーまん」の皮は「ギンザマン」とはまったく違って甘くてふわふわと柔らかいんです。そのぶん、餡のキーマカレーはかなりスパイシー。その辛口のキーマカレーとやわらかく甘い生地のバランスがよく、とろんと口溶けも最高です。

「鹿児島黒豚まん」590円

 最後に食べたのは黒豚100%使用という「鹿児島黒豚まん」です。こちらの皮は、どっしりと硬め。噛むと、小麦の味がしっかりと感じられます。そして、中の黒豚の餡は、肉々しい焼売のようで、口の中に肉汁が溢れ出てきます。特に筆者が惚れ込んだのは、肉汁が皮に染み込んだ部分。この黒豚まんの場合は、非常に上品な脂なので、とりわけ美味しい。辛子をたっぷりつけてあっというまに完食しました。

 どの肉まんも、餡と皮との相性をしっかり考えて作られていて、非常に繊細な味わいでした。銀座に集う舌の肥えた方々が大量買いしたくなるのも納得です。ぜひ買いにいってみてください。ちなみに地方発送もしているので、全国どこからでもお取り寄せができますよ。

(撮影・文◎Jeriko Tsucchina)

●SHOP INFO

店名:ギンザマン

住:東京都中央区銀座8-5-24 ラペ3ビル1F
TEL:03-6218-0345
営:16:30~翌2:00(1:30LO)
休:土日祝
http://ginzaman.jp
※営業時間は変更する可能性もありますので、お店に確認してください