本場タイより美味しいと評判の六本木のバー『クワン』がスゴい理由
食楽web
「バーとは思えないクオリティーの本格タイ料理が食べられる店があるらしい」と噂を聞きつけてやってきたのが、今回ご紹介する『Qwang(クワン)』(六本木)。六本木から246号線沿いを西麻布方向に歩くこと約6分。ビルの地下にあり、居心地が良く、しゃれた雰囲気でデートにも使えそうなバーです。
「タイ料理は大好きだけど、お酒の種類が少ないのが難点…」と思っていたエスニック好き、お酒好きな人には、ぜひ知っていただきたいこの店。早速、おすすめのタイ料理をいただきに訪れてみました。
美味しすぎる『クワン』の“本格タイ料理”の秘密とは!?
「豚肉の網焼きハーブ和え ラオススタイル」1980円(すべて税込、チャージ別)。タイバジルを生で食べるのが“ラオススタイル”
早速いただいたのは、お店イチオシの「豚肉の網焼きハーブ和え ラオススタイル」。まずは皿いっぱいに盛られた料理のインパクトにびっくり! 盛り盛りのキャベツと豚肉の山はもはや、バー飯の域を超えています。
具をキャベツに巻いていただきます
一口食べてみると、網で焼いた香ばしい豚肉に、パクチーやレモングラスなどの香味野菜、レモンやライム、ナンプラーが絶妙に混ざり合います。コク深いのに、後味がとにかく爽やかで、ついつい手が伸びてしまいます。
大好物のタイ料理の店は相当な数を訪れていますが、『クワン』の料理は食べたことがありそうでない複雑な味わいで、「美味しすぎる!」と感嘆の声を連呼してしまいます。
オーナーバーテンダーの長谷川康弘さん。オリジナリティー溢れるカクテルは映画、音楽、美術、様々なところからヒントを得ているそう
『クワン』はオーナーバーテンダーの長谷川康弘さんと奥様の2人で経営し、今年で20周年を迎えます。奥様は都内のレストランで勤めていた頃、タイ人シェフの下で働いていたそうで、その経験からタイ料理を出すことになったそう。ハーブをたっぷり使い、タイ人シェフから受け継いだという”化学調味料を使わない伝統的な料理法“で作るからこそ、この美味しさが堪能できるんですね。
一味違うタイ料理の定番「鶏肉のグリーンカレー」
「鶏肉のグリーンカレー」1540円
一つ目の料理があまりに美味しく、「鶏肉のグリーンカレー」もオーダーしてみることにしました。一見、オーソドックスなグリーンカレーですが、食べてみると全く違う味わいが広がります。
茄子やピーマンなどの野菜がゴロゴロと入り、スープのようにサラサラで、どこか香ばしいカレールーのハーモニーがとにかく絶妙です。甘さの向こうに辛さがやってくるリズミカルな味わいは、ご飯が止まらぬ美味しさでした。
タイ料理と合う「レモングラス・マルガリータ」、その味の共通項とは!?
「レモングラス・マルガリータ」1650円。フレッシュなレモングラスの茎をしっかり潰してエキスを抽出しています
今回のタイ料理に合うカクテルを、と康弘さんにオーダーしたところ、テキーラをベースにした「レモングラス・マルガリータ」を作ってくれました。グラスの周りには塩と細かく粉砕したレモングラスが散りばめられ、見た目も美しい。一口飲んでみると、レモングラスの爽やかさ、レモンの酸味、アガベシロップの軽やかな甘みが絡み合います。おっしゃる通り、酸っぱさと甘さが共存する、タイ料理と相性抜群のカクテルです。
グラスの外側に塩と細かく粉砕したレモングラスが散りばめられている
「タイ料理とメキシコ料理は似ているんです。ライムやパクチー、唐辛子をふんだんに使い、辛くて酸っぱい料理が多い。だからメキシコのスピリッツテキーラをベースにしたカクテルとタイ料理の相性もいいんですよ」と康弘さん。奥様の作るタイ料理と、ベストマッチなカクテルを作り出す康弘さんのコラボ、素敵ですね。
木のぬくもりが温かいバーカウンター
取材中、常連だという男性がやってきました。渋谷にある人気ワインバーの方だそうで、コロナ禍の自粛期間中は大好きな『クワン』の料理とカクテルをデリバリーしてもらい、心身ともに助かったそうです。
同業からも人気を集めるタイ料理と個性あふれるカクテル。ぜひ体験してみてはいかがでしょうか?
●SHOP INFO
店名:Qwang(クワン)
住:港区西麻布3-1-18 RD西麻布B1F
TEL:03-5410-8998
営:18:00~2:00
休:日・祝日、毎月第1土曜
http://qwang.sakura.ne.jp/
※暫くの間は営業時間、休業日などが変更になる場合があります。詳細はホームページ又は店舗までご確認下さい。
(取材・文◎Tomoko)
●著者プロフィール
Tomoko
ソムリエ/フードコーディネーター
大手酒類メーカーに20年以上勤務。外食大好き、お酒も大好き。“勉強”と称し、訪れたお店の数は2500軒以上にわたる。「酒感(さけかん)」(お酒を飲む雰囲気が滲み出ている)のある店を好み、ファサード(店構え)を見れば良店かどうか見分けられる驚異の嗅覚を持つ。「酒感(さけかん)」の真骨頂は「BAR」ということで、都内「BAR」もかなりの数を巡っている。