マスクが“口臭”と“歯周病”の原因だった! 今日から始める大人の「オーラルケア」
痛みもなく進行し、放っておくと歯を失うこともある歯周病。明確な症状がないまま進行しやすい病気だが、いちばんのサインともいえるのが口臭。日々のマスク生活で口臭が気になるという人は、歯周病菌が繁殖している可能性が高い。
「歯周病菌は“嫌気性菌”(けんきせいきん)の一種で、酸素に触れるのを嫌う菌です。なので、マスクをすることで会話が少なくなり、笑顔も減り、ずっと口を閉じていれば好都合。繁殖しやすい環境になります」
というのは、歯科医師の石井さとこ先生。空気を嫌うので、歯周病菌は歯周ポケットなど口の奥に潜む。そのため歯ブラシをしても取り除くことが難しく、口臭が消えない……という厄介な存在なのだ。
唾液と予洗いがケアのカギ!
さらにマスクをしている息苦しさから、知らず知らずのうちに口呼吸になっている人が多く、それも口内環境を悪化させる原因に。
「口呼吸をすると口内が乾燥し、唾液が十分にまわらなくなります」
唾液は口内の細菌をやっつけたり、汚れを洗い流したりするなど、さまざまな働きがあるが、口内が乾燥すると唾液の自浄作用が低下。虫歯菌や歯周病菌の抑止力がなくなってしまう。
今後も続くマスク生活。口内を正常に保つためにおすすめのセルフケアを伺った。
「唾液を十分に出すことがカギです」
食事の際にはひと口につき20〜30回は噛(か)みたい。
「特に閉経後の女性は、女性ホルモンの減少から骨密度が低下し、噛む力も弱くなります。噛むことは、唾液腺を刺激するだけでなく、筋力もアップさせるので一石二鳥です」
また口内の乾燥が気になったら唾液が出やすくなるツボを刺激したり、30分に1回は水分をとるなどして乾燥対策を行って。
「加えて歯磨きのケアもより充実させて。おすすめは “予洗い”をすること」
口内の汚れは幾重にも重なっているので、歯磨きだけですべてを落とすのが難しい。歯磨き前に口をゆすぐと、いちばん上の大きな汚れが落ちるので、歯ブラシで細かい汚れが落としやすくなる。
「最後におすすめするのが笑顔。マスクをしていても笑顔を忘れずに。表情筋を動かすと、唾液も出やすく、口内を清潔に保ってくれます」
大人のオーラルケアのポイント
◎少量のにぬるま湯で予洗い
歯磨き前に20ミリ程度のぬるま湯を口に含み、前後左右に舌もからめながら30秒ゆすぐ。これで大きな汚れをオフ。
◎力加減にも注意
歯と歯肉の境目は、歯ブラシの毛先を45度に沿わせて、爪の甘皮をこすっても痛くない程度の力加減で磨いて。
◎歯間ケアはマスト!
睡眠中は唾液が50%になるので口内が悪化しやすい。就寝前は必ずフロスなどで歯間ケアを。おすすめ商品は、かき取り効果と耐久性の高い6本糸で歯垢をしっかりからめ取る『糸ようじ(60本入り)』。フロスが上手に使えない方にもおすすめ!
(商品情報……700円/小林製薬 電話:0120-5884-05)
【口臭を防ぐ! 唾液をアップする習慣】
1. よく噛んで食べてこまめに水分をとる
食事はひと口20〜30回は噛み、しっかり唾液を出すようにして。ガムを噛むのもおすすめ。食事以外では、30分に1回は水分を口に含んで乾燥するのを防止して。この際、砂糖が含まれる飲料は口内環境を悪化させるのでNG。
2. 唾液量UPのツボを刺激
耳下腺を刺激するツボを押すと、口の中にじわっと唾液が分泌される。耳の前部、少しくぼんでいるところを指で探して10秒ほどプッシュ。中指で“押して→引く”を繰り返して。
清潔な口内環境を作るおすすめグッズ
1. 石井さとこ先生監修 本当に欲しい歯磨き剤『ナチュラルドロップス 』
研磨剤、発泡剤、防腐剤、サッカリン、界面活性剤などは一切不使用。身体に害のない6つの成分で作られたジェルタイプの薬用歯磨き。有効成分ポリリン酸、ヒノキチオール配合で歯周病ケアのほか、ホワイトニング効果や口臭対策も。コスメキッチン限定発売。3000円(税抜)/ebs.
2. 使用後の歯ブラシをしっかり除菌!『Oclean S1』
おしゃれな歯ブラシホルダーに使用後の歯ブラシをセットすると、UV-Cという深紫外線の光が歯ブラシについた細菌をしっかり除去する。メーカー希望小売価格7800円(税抜)/TORO TECH JAPAN
3. 口の渇きや口臭にシュッとスプレー『アクアバランス 薬用マウススプレー』
口の中にスプレーするとさわやかなレモンの香りが広がり、気になる口臭を防ぐ。携帯に便利なサイズ。メーカー希望小売価格1000円(税抜)/ライオン
4. 歯科医院で磨いたような仕上がり!『オーラルB iO9』
回転する丸型のヘッドが、歯を1本ずつ包み込んで磨き上げる電動歯ブラシ。ブラシ1本1本まで振動するテクノロジーを搭載し、仕上がりはまるで歯科クリーニングレベル。 オープン価格/Oral-B by Braun
5. ヒノキチオールが口臭や歯肉炎・歯周炎を予防『リフレケア(R)』
歯周病や虫歯の原因菌を抑える有効成分を配合した医薬部外品のジェルタイプの薬用歯磨き。研磨剤や発泡剤、エタノール不使用。ライム風味など3種。2200円(税抜)/イーエヌ大塚製薬
6. 歯に塗るだけで汚れや菌の付着を防ぐ!『Shimac(シマック)』
歯を被膜して予防するという画期的なケア剤。細菌の塊(歯垢)の付着を防ぎ、かつ歯膜剤の成分が徐々に広がり、長時間(12時間以上)口内環境を整える。2400円(税抜)/ハニック・ホワイトラボ
(取材・文/樫野早苗)
《PROFILE》
石井さとこ先生 ◎歯科医師、口もと美容スペシャリスト。ホワイトホワイト院長(https:www.whitewhite.jp)。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。女優やモデルなどのビューティーセレブの信頼も厚い。