金子ノブアキが語る“斎藤工” 「反骨心がチリチリ」「最後は映画を作っている」
俳優でミュージシャンの金子ノブアキさんが音楽プロデューサーを務める映画「MANRIKI」。同作は、美しい整顔師(斎藤工さん)が経営する美容クリニックは、猟奇的な哲学と万力による小顔矯正施術を行っています。ある日、整顔師は場末の街で美人局(つつもたせ)に遭遇する…お笑い芸人・永野さんの原案・原作をベースに映画化した作品です。
オトナンサー編集部では、金子さんに単独インタビューを実施。参加の経緯や、映画の曲作り、斎藤さんとの仕事などについて聞きました。
ゲラゲラ笑いながらの楽しい現場
Q.作品への参加の経緯を教えてください。
金子さん(以下敬称略)「僕がチーム万力に参加したのは一番最後で、斎藤工君と清水康彦監督と永野さんの3人が最初に集まっていました。1〜2年前から映画を作ると聞いていましたが、苦戦しているようでなかなか始まらず、そんな中で打ち合わせになり、呼んでもらいました。打ち合わせ後に映画の主題歌を作ってみんなに送ったところ、徐々に動き出していきましたね」
Q.曲は脚本を読まずに作られたのでしょうか。
金子「読みました。最終的には最初と全然違う内容になっていましたが(笑)でも、大きなテーマは変わっていません。『音』で遊ぼうと思って作りましたね。劇場用音楽というより、チームのみんなをたきつけるためという側面もありました。
『かっこいい曲作ったから、映画もかっこよく作ろう』と彼らに伝えました。永野さんは基本的にパンクス、ハードコアパンクだし、インテリなんですよ。だから、こういう映画が出来上がったと思うし、曲もそういう部分を反映してます」
Q.タイトルにもなっていますが、「万力」のイメージを教えてください。
金子「テンサウザンドパワーですからね。かっこいい名前だと思いました。でも、アメリカに持っていくときのタイトルは『vise』で、なんで変えたんだろうと思いましたね(笑)」
Q.斎藤さんと何度も仕事をされています。
金子「出身地域が同じなんですが、仲良くなったのは大人になってからですね。何となく知ってはいました。彼が最後に何をしているんだろうと想像すると、やっぱり映画を作っているんだろうなと思います。映画が好きなんですよ。
反骨心がチリチリ燃えている人だから、しっかりオーバーグラウンドの仕事をしながら、映画製作もしている。彼を見ていると、彼の炎が一番燃えているのは映画を作っているときだと感じます。そばにいるのは楽しいですね」
Q.俳優の現場と音楽の現場、どちらが楽しいですか。
金子「俳優の現場は監督にお渡しして、オンエアまでどうなるか分からないので、恐怖もあります。でも、『こんなふうになったんだ!』と思うこともよくあって、みんなで作っているという空気感が好きです。音楽に関しては、曲を作るのもバンド活動もライブも、もちろん好きです。やはり、ライブハウスでの盛り上がりを超えるものはないですね」
Q.現場の雰囲気はいかがでしたか。
金子「楽しかったですよ。ゲラゲラ笑いながら作っていました。清水監督が集めたスタッフさんも素晴らしかったです。僕は、この映画は俯瞰(ふかん)した立場で関わった作品だと思っていて、チーム万力の一員として次回作も考えていきたいですね。そろそろ、みんなをたきつけるタイミングかなと思っています(笑)」
映画「MANRIKI」は11月29日から全国公開。