井ノ原快彦、相葉雅紀ら台風被災地での“ジャニーズ炊き出し”はどう実現したのか
「井ノ原快彦さんたちジャニーズのみなさんが“頑張ってください”って握手をしてくれてね。元気もらったよ」
【写真】子どもたちだけに配られた嵐の公式グッズ、撮影現場で素の表情を見せる山田&中島など
目を輝かせながら週刊女性にこう語るのは、福島県郡山市に住む70代の男性・Mさん。自宅は、10月13日の未明に郡山市を襲った台風19号の大雨によって浸水被害を受けていた。
「45年以上ここに住んでいるけど、これほど川が氾濫したことは初めてだね。まだ掃除が終わらないよ」(Mさん)
市街地から水が引いた後、家族総出で自宅の水害対応にあたったMさん。災害ゴミの掃除や床下浸水など心が休まらない日々が続いた。
炊き出し現場で絶大な人気だった井ノ原
「20日のお昼ごろに町内会の人から炊き出しの連絡があったんだ。そうしたら近所の人たちがどうもはしゃいでいてね。聞いてみたら、炊き出し場にジャニーズの人たちが来てるっていうからびっくりだよ」(Mさん)
その日、市内にある日本大学の敷地内に設置された炊き出しスペースには、V6の井ノ原をはじめ、嵐の相葉雅紀、NEWSの増田貴久、Hey!Say!JUMPの山田涼介、Sexy Zoneの中島健人の5人が駆けつけていた。現場では特に、井ノ原の人気が絶大だったそう。
「彼らは焼きしゃぶ丼とみそ汁とジュースを振る舞ってくれました。井ノ原さんはNHKの情報番組『あさイチ』のレギュラーを長らくやっていましたから、高齢者の方たちにも認知度が高いんです。気さくなキャラクターも相まって、ウケはよかったですね」(炊き出しに参加した女性)
炊き出しを終えたメンバーたちは、住民たちと写真撮影にも応じていた。
「ジャニーズのタレントさんって、写真はNGだと思っていたのですが、今回は、“1人2枚までならOK”ということで撮ってもらえました。ラグビーのスクラムばりにガッチリ肩を組んでもらっている人もいて、行列はなかなか途切れませんでしたね」(同・炊き出しに参加した女性)
どういった経緯で炊き出しが実現したのか?
9月下旬に相葉が千葉県内の被災地を訪れたときは、市役所にジャニーズ事務所から電話があったというが、今回はどういった経緯で炊き出しが実現したのだろうか。運営に携わった、郡山市のボランティアセンター職員・渡部明美さんに話を聞いた。
「台風の被害が報道で明らかになった後、10月16日にジャニーズ事務所から福島県庁へボランティアの働きかけがありました。20日の昼スタートということは変更できなかったので、20日までの4日間で全部決めたんです」
渡部さんを最も悩ませたのは開催場所だったという。
「昼間は被災者のほとんどが自宅の片づけをしていて避難所にいないので、そこで行ってもあまり意味がないことはわかっていました。それに事前にジャニーズのタレントさんが炊き出しに来るとわかってしまったら、人が大挙してしまって狭い会場だと現場が混乱してしまいますからね。そこで被害が大きかった住宅地の近くで、なおかつ安全が確保できるような敷地を有する日大で行うことにしたんです」
読みは見事に的中。Mさんをはじめ、被災した家の掃除に励む人たちほとんどに炊き出しを振る舞うことができた。
井ノ原たちが組んだ“笑顔のスクラム”は、被災地の人たちの心を確実に温かくしたに違いない。