ハカを披露するニュージーランド・オールブラックス【写真:石倉愛子】

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アイルランド記者から指摘、リード主将は反論「ハカはオールブラックスそのもの」

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は19日から準々決勝が行われ、日本は20日に南アフリカと激突する。一方、B組を1位で突破し、3連覇を狙う世界ランク1位のニュージーランドは、同4位のアイルランドと対戦。最強軍団のLOキーラン・リード主将は17日、都内で会見に臨み、準決勝進出に向けて意気込んだ。

 B組を全勝で突破した勢いそのままにV3へと駆け上がる。9大会連続9度目の出場となるオールブラックス。4度目の優勝へ、リード主将は「この上なく良いトレーニングを積んできており、『グレート』な状態でピッチに立てる。精神面が大きく左右するので、肉体面だけでなく精神面の準備も行ってきた」と調整に自信を見せた。

 アイルランドは大会開幕時は世界ランク1位。日本に敗れて4位まで落ちたが、ニュージーランドにとっても侮れない相手だ。リードも「ここ数年接戦を繰り返しており、エキサイティングなチャレンジを心待ちにしている。アイルランドはとても良いチームだ。この大会ではまだ実力を出し切っていないようだが、W杯でのゲームはちょっとしたことで結果が変わる」と警戒している。

 黒いジャージで相手を飲み込んでいくオールブラックス。ファンを沸かせるのは、プレーだけではない。試合前に披露する伝統の戦いの儀式「ハカ」も注目だ。初戦の南アフリカ戦で特別な試合のみで舞う「カパオパンゴ」を行うと、2戦目以降も日本のファンにもなじみ深い通常の「カマテ」を披露。迫力ある儀式でファンを魅了した。

アイルランド記者から、まさかの質問が…

 しかし、17日の会見では、敵国メディアから指摘が入った。アイルランド記者からオールブラックスがハカを商用目的に使っていると問われたのだ。この問いに対し、リード主将は真っ向から反論した。

「事実と全く逆だ。ハカはオールブラックスそのものと100年以上続く我々の伝統を表している。(現役と)先輩プレーヤーをつなげるものだ。これからも楽しみ、演じるべき伝統だ」

 伝統を重んじ、士気を高める大事な時間。対戦相手の報道陣から受けたまさかのツッコミにも動じることなく返答した。準々決勝を控えた感情については「W杯のゲームではプレーヤーは普段よりも神経質になったり、プレッシャーを感じて肉体面にも影響を及ぼすが、それはとてもグレートなことだ。大事な点は、こうした感情とクリアな頭を併せ持つことだ」と話した。(THE ANSWER編集部)