広島駅前「ケツ噴水」の意外な由来 作ったのは「エロスの画家」だった
広島駅南口にある噴水広場をご存じだろうか。
広島市在住の方、広島出身者ならおなじみの待ち合わせスポットだ。この噴水の愛称がいま話題になっている。
話題の発端は、2019年9月9日に投稿された次のようなツイートだった。
広島駅名物ケツ噴水ってなんぞや?
— つまきち (@tsumakichan) 2019年9月9日
と思った人は画像をご覧下さい。
「翔く未来に向けて」という漢字オタクの僕でも何と読むのかわからない正式名称がありますが、市民の皆さんは残酷にもケツ噴水と呼んでいます。 pic.twitter.com/h3bU2sltXc
投稿者のつまきちさんによると、正式名称はともかく、「市民の皆さんは残酷にもケツ噴水と呼んでいます」とのことだ。
写真を見ると、いかにもお尻のようなふくよかなモニュメントである。「広島駅名物ケツ噴水ってなんぞや?」と聞かれると、すぐにこの噴水を想起するものらしい。それだけ広島市民に愛され、親しまれているのだろう。
「銀ケツ」派も
広島駅南口噴水広場。「つまきち」さん(@tsumakichan)のツイートより
ツイッターの反応を見ると、「ケツ噴水」に対して、「自分の知り合いは『銀ケツ』と言ってました」「銀のケツ前なとか昔いってました」などといった異論もあった。どちらにしても「ケツ」であることには変わりない。
また、こんな意見もあった。
「いつの日か絶対に『クレヨンしんちゃん』の映画に出てくる!と思って過ごしていましたが、未だに映像化には至らないようです。でもいつか必ず出てくると信じてます」
この噴水の正式名称は、「翔べ未来に向けて」。1989年、今からちょうど30年前に制作されている。作者は高橋 秀(たかはし・しゅう)さんだ。
高橋さんは、広島県生まれ。長くイタリアに滞在し、絵画作品以外に版画、モニュメント、写真など多角的に制作する。 その印象から「エロスの画家」と呼ばれ、「エロス」を感じさせる簡潔な線とフォルムが特徴だ。1979年には、友人の版画家である、故池田満寿夫原作、監督の映画「エーゲ海に捧ぐ』の美術監督を務めた。
「ケツ噴水」「銀ケツ」という、なんとなくエロスを感じさせる愛称も、作者の意図通りなのかもしれない。
またツイッターの反応の中には、「そういえば南口の建て替え開始も後僅かですがこの噴水はどうなるのでしょうね」という声も......。そこでJタウンネット編集部は広島に電話で聞いてみた。
答えてくれたのは、広島市道路交通局都市交通部の担当者だった。それによると......
「再整備を計画中で、広場のレイアウトも大きく変わることになりますが、噴水については、現時点でお答えできる状態ではありません」
という回答だった。
「ケツ噴水」「銀ケツ」の未来は、今のところ未定だ。