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パラリンピックのメダルを見てきました!

どうも、メダルオーナーです。「いい加減にしろ」とお思いかもしれませんが今日もマウントからです。僕は東京五輪・パラリンピックのメダル製造のために所有するニンテンドーDSを供出した「メダルオーナー」様であります。おそらくはすべてのメダルに我がDSからの金原子、銀原子、銅原子、亜鉛原子が含まれており、世界のアスリートの手に渡るのです。

「ハァイ、アイム メダルオーナー」
「オォ!ユァ メダルオーナー!」
「サンキューフォーユァゴールド」
「HAHAHA ユァウェルカム」
「ハブアナイスゲーム、グッドラック」
「アイルプレイフォーユー、サンキュー」

脳内には世界各国のアスリートが僕に親愛と感謝の言葉を述べ、メダルにキスする様子が広がっています。「あしながおじさん」はこんな気持ちでジュディの成長を見守っていたのでしょうね。それでこそ僕も貴重なニンテンドーDSを供出した甲斐があるというものです。(と、自分がやったことで相手がもう今からでは絶対できないことについては、徹底的にしつこく何度も自慢をしていくタイプです/勝てる自慢だけする勢)

さて、今回のパラリンピックのメダルはどんなデキであろうかと向かったのはいつもの東京都庁。聖火リレーのトーチであるとか、オリンピックのメダルであるとかを小出しに展示してきやがるイベントスペースで、9月2日(月)までパラリンピックのメダルが展示されているというので早速見てきたわけです。

↓目的はコレです!


たどりついた現地。オリンピックのときは常に人が50人くらい並んでいたのに、この日はまばら。多少人がいるなぁと思っても、それは案内を担当する都庁の職員さんだったりします。ピーク時で30人、少ないときには僕ひとりという状態で、明らかに空いています。チケットへの熱気もこれぐらい差があるようなら、パラリンピックなら開会式や閉会式も当てられるかもしれませんね。

↓多少人はいるが大半は都庁の職員さん。


↓列を作るために張ったロープがただの障害物になっています!

うーむ、展示初日ではない出遅れ組とはいっても、こんなに少ないのか…。

次はいつ見られるかわからないものなんだから、見ておけばいいのに…。



そんななか現地では驚きのお達しが。これまでの複数回の展示で何かを学んだのか、展示ルールのアップデートがされていました。「すべてのお客様にご覧いただくため、写真はおひとりにつき1枚までとさせていただきます」という貼り紙。僕などは反射的に「すべてのお客様に見てもらうためには、もっと広い場所で10セットくらい並べるのが先じゃ」「何でいつも1個やねん」「並べれば並べただけ客の回転は早まる」と思ったりもしますが、まぁ、心意気はよいと思います。

列に並び、1枚写真を撮る僕。まずは全体像をおさめますが、当然それで満足できるはずもありません。メダル1個ずつにグッと寄っていきたいですし。細部の意匠にも目を凝らしたい。リボンだってどんな色でどんな模様かおさめたいと思ったら、1枚ではまったく用が足らないのです。

聞けば今回のデザインは扇をモチーフとし、側面には触っただけで何メダルかわかる1個から3個の穴があったり、表面の加工や突起部の高さを変えることで触感を楽しめる工夫も施されているといいます。平らに見える表面も扇の骨の部分が盛り上がっていたり、裏面には岩や草など日本の自然がそれぞれ彫り込まれていたりもするのだとか。

↓そんなにたくさんの工夫、1枚では終われない!


「仕方ないもう1回並ぶか…」

そして再び列(と言っても5人くらいだが)の最後尾に取りつき、再び「1枚ずつ」の撮影に臨みます。メダルを見守る係員さんは「おひとりさま1枚ずつでお願いいたします」と撮影のたびに声を掛けてきます。僕は1枚撮ってすぐにまた並び直します。メダルの表面、裏面、側面、リボンと撮っては並び、並んでは撮る僕。

ついには人のいない時間帯などには「1枚ずつでお願いします!」「カシャ」「テクテク…」「1枚ずつでお願いします!」「カシャ」「テクテク…」「1枚ずつでお願いします!」「カシャ」「テクテク…」と事実上3枚くらい連続で撮っている場面も生まれました。係の方は「コイツしつこいな…」と思っていたかもしれませんが、コッチだって何回も並んでるのに並び直すたびに「パンフレットをどうぞ!」と渡してくる係の人に「しつこいな…」「僕がもらわないのいい加減覚えてくれよ」「そのパンフはもう家にあるから」と思っていたのでお互い様です!

↓ご覧ください金色に輝く眩しいメダルを!よく見ると表面がザラついていたり、点字で「TOKYO 2020」と記していたりします!


↓コチラが銀メダル!


↓そしてコチラが銅メダル!


オリンピックメダルよりもわずかに薄く、30グラムほど軽くなっています!

銀メダル・銅メダルのほうが裏面です!




メダル下部から放射状に伸びる線は扇の骨。要の位置が選手を示し、扇に描かれた紋様は左下から岩・花・木・葉・水を示しているとのこと。この扇が生み出す新しい風を2020年の東京に吹かせたい…そんな願いが込められているのだとか。

↓側面には触って区別するための穴が!金はひとつ!



↓銀はふたつ!


↓銅はみっつ!


↓ここには写っていませんが、リボンの裏面にも触っただけで何メダルかわかるくぼみがあります!



「重さが違うから持てばわかる」という人にはお節介かもしれませんが、誰でもわかるようにするのはいいことです!

オリンピックのメダルもリボンにくぼみがつけてあって、何メダルかわかるようになっていますよ!




さて、総じてキレイでカッコいいメダルではあるのですが、正直僕は今回のパラリンピックメダルについては100点満点ではないなと思っています。これ単体では十二分にいいメダルなのですが、早速というか案の定というか「このデザインは旭日旗を想起させる」と一部の輩から声が上がっています。

違いますよ、もちろん。扇ですから。ただ、僕自身も初見で「あぁ、コレは旭日旗と言ってくる輩がいるだろうな」と思ったくらいですから、何でも難癖つけようとしてくる勢力は当然言うでしょう。そして、有り体に言って「ある程度、似通っている」とは思います。放射状に太くなる線を並べて、丸型の何かをからめれば何でも似てしまうのですが。

僕はそれって、自分たちにとっても相手にとっても残念なことだと思うのです。お隣さんをからかうのは僕もよくやることですが、せっかくの五輪・パラリンピックなのだからコチラもアチラも気持ちよくやれるのに越したことはありません。平昌では日本の選手と日本の観客がお世話になりました。ことさらに嫌がらせをされることもなく、チカラを発揮して、無事に帰ってきました。その点については感謝も労いもありますし、今回はおもてなしを持って迎えたい。

そこで、「一部の輩が言ってきそうだな」と初見でわかるようなデザインを、あえて採用しなくてもいいのにな、とは思うのです。世界のすべての「輩」に対応するのは無理ですし、思い至らず偶然そうなってしまった場合はもちろん突っぱねるわけですが、こと日本のスポーツ関連デザインにおいて言うなら「コレは言ってくるだろうな」というのは誰かが途中で気づくレベルのものでしょう。

そもそも「扇」はそんなにザ・日本だったりザ・東京だったりするのかというと、そうでもないわけです。扇自体は世界中にあるもので、そこに書いてある絵や文字や使用法こそが日本っぽい伝統と言えるものでしょう。扇の「和」はハードそのものよりもソフトに宿るものです。江戸扇子は東京を代表する名産品というわけでもないですし、そもそも扇のアイデンティティは円を120度ほどで切り取ったあの「形」にあるわけじゃないですか。輪郭を円にしたら何のことやら。

「扇でいこう!」というネタ出しから始まって、それを言い伏せるコンセプトをこねくった感じが否めないうえに、「2番目くらいにチェックしないといけない忌避ポイント」にいきなり引っ掛かってしまっている。もちろんコッチには何ら誹りを受けるところはないので、何を言われようが突っぱねますが、できることなら「突っぱねる」行為すらもしないでいたかった。そして、一部の輩にも「難癖をつける」ことをさせずに済むものがよかった。

どうせお互いに主張は平行線で、永遠に折り合うつもりもない案件です。それでも相手も、何もかも全部に難癖をつけてくるほどの狂戦士でもありません。少し気遣うだけで、不毛な言い争いもなく、スーッと受け入れられるものにできただろうにと思うと、とてももったいなく感じるのです。

本番で「輩」の誰かがメダルを獲るかもしれないでしょう。それは血のにじむ努力の結晶でしょう。讃えられるべき結果なのです。でも「輩」は…コレが旭日旗に見えてしまう「輩」は、このメダルを投げ捨てたり踏みつけたり嫌ったりしないといけなくなってしまう。知りようもないマイナーな事例ならともかく、しょっちゅう揉めてる案件を何故あえて踏みに行ったのか。100点満点ではないな、と思います。

↓輩が騒ぎ、輩と戦う人々が立ち向かい、パラリンピックとは関係のない戦いが始まる…!


↓もしかして日本側の作り話かな?と思って調べたら、向こうでもキッチリ騒いでました!

ゼロから好きに決めていいデザインで、何故ふたつめくらいの地雷で引っ掛かるのか!

100点はもっとほかにあったでしょ!?

まぁ、こうなった以上は突っぱねるしかありません。もともとがイチャモンなのですから、堂々と突っぱねます。ただ、その作業はつまらないものだなと思います。すでに政治や経済などぶつからざるを得ない局面ではバチバチやっている状況なのですから、どんなデザインでもよかったメダルでまでそういう輩を呼び寄せたり突っぱねたりしなくてもよかったなと思います。負けた腹いせをぶつける相手にメダルが選ばれたりしないよう、願うばかりです。

コッソリ僕に聞いてくれたら「コレは揉めそうですよ」って先に教えたのに!