ソラーリ政権下では出番が激減したイスコ。ジダンの下で復調できるか。(C) Getty Images

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 レアル・マドリーのベンチにジネディーヌ・ジダンが戻ってきたことで、もっとも恩恵を受けるとみられているのが、サンティアゴ・ソラーリ体制で不遇の時を過ごしていたイスコだ。

 ジュレン・ロペテギが昨年10月末で成績不振で解任され、ソラーリが内部昇格すると、イスコは出番が激減。11月末に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)のローマ戦でついにベンチから外されると、アルゼンチン人指揮官との溝は決定的になり、関係修復が不可能なところまできていたとも報じ去られた。

 CL敗退が決まった3月5日のアヤックス戦の前には、ベンチ外を伝えられて怒りが収まらず、スタジアムへ向かうチームバスへの乗車を拒否してもいる。

 だが、コパ・デル・レイで準決勝、CLではラウンド・オブ16で敗退に追いやられたマドリーは、3月11日にソラーリを解任。ジダンを電撃的に呼び戻した。そんな状況だっただけに、当然イスコはこの決定を歓迎している。

 スペイン紙『Marca』によると、3月14日にイベントに出席したイスコは、ジダンについて「僕らみんなが彼のことを知っている」としてこう賛辞を寄せた。

「選手としても、監督としても、彼がどういう人かはよく知っている。戻ってきてくれたことは、僕ら全員にとって朗報だよ。監督はマドリーを愛している。この復帰という決断でそれを示した」

 ジダンの下で、マドリーは立て直しが求められる。スペイン代表MFは、「このチームでは常に最大限の力が出すことが求められる。すべてのタイトルを競わなければならない」と意気込んだ。

「ここまではベストシーズンではなかった。でもここからは、クラブの歴史に相応しいところに辿り着くために全力を尽くしていく。強さを取り戻らなければならない」
 
 マドリーに残されたタイトルは、ラ・リーガしかない。だが、残り11試合で首位バルセロナとは勝点12ポイント差と、逆転優勝は絶望的だ。

 それでもイスコは、「残り試合はすべてに勝ちにいく。リーガ優勝は難しい状況だけど、できる限りのポイント獲得を目指していくよ」とコメントし、ファンの後押しを求めた。

「きょう、この時から変化が始まる。そして僕たちには、サポーターの力が必要なんだ」

 ジダンの復帰とともに、マドリーとイスコは復活を遂げられるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部