XFN-ASIAによると、中国南部の広東省を流れる北江に猛毒のカドミウムを含んだ工場廃水が精錬所から流入し、北江の下流に位置する人口100万人の広東省英徳市の飲料水が汚染される危険性が高いことが分かった。新華社通信が21日付で伝えた。同市のテレビ局は20日夕、市民に対し、水道水を飲まないよう呼びかけている。地方当局によると、同市の中心部に住む約10万人の飲料水が危険にさらされているとしている。

　　広東省の公衆衛生当局によると、カドミウムの排水は、英徳市の北90キロの韶関市にある国営の精錬所から流出したもので、基準値の約10倍のカドミウムが検出されたとしている。韶関市当局によると、同精錬所は現在、操業を停止し、排水経路を遮断したとしている。排水はゆっくりと英徳市に向かって流れており、2−3日後には同市に到着する模様だ。

　　中国では先月13日、吉林省吉林で起きた石油化学工場の爆発によって、黒竜江（アムール川）支流の松花江に発がん物質のベンゼンなどが大量流出する事故が起きており、相次ぐ大規模な環境汚染に対し、国内外からの批判が予想される。日本では1960年代にカドミウム汚染による4大公害病の一つ、イタイイタイ病が富山県でクローズアップされ、社会問題となった。【了】