レジ袋の中で生存していた赤ちゃん(画像は『IOL News 2018年9月17日付「Newborn girl found alive in bag」』のスクリーンショット)

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南アフリカ・北ケープ州キンバリーで9月14日、排水溝近くのコンクリートの上にレジ袋が捨てられていた。レジ袋の口はしっかりと結ばれていたが、中からは赤ちゃんの泣き声が聞こえた。日の出前の暗くて冷たい道の一角に、裸でレジ袋に入れられていた赤ちゃんは、心優しい近隣住民らの迅速な対応によって一命を取り留めた。『IOL News』などが伝えている。

14日の早朝、キンバリーのガレシュウェ(Galeshewe)地域の犯罪対策グループに所属するワンヤ・ツォチさん(Wanya Tsotsi)とブシ・モディサネさん(Vusi Modisane)が仕事に向かっていると、道端に集まっている人々を目にした。何事かと駆け寄ると、スーパーのレジ袋が転がっている。袋の中から聞こえるのは、赤ちゃんの割れんばかりの泣き声だった。

ツォチさんは「泣き声もするし明らかに赤ちゃんだということが分かりました。ですが自分で赤ちゃんの状態を調べることはできないので、すぐにキンバリー病院へ搬送する手続きを取りました」と当時を振り返って語った。赤ちゃんは女の子と分かり、新生児集中治療室ですぐに治療を受けたが、この時に撮影された白いビニール袋とそこから聞こえる泣き声を拾った10秒ほどの動画はソーシャルメディアで拡散した。

キンバリーの女性と子供の権利を擁護する団体「RiseAbafazi Movement」のムポ・アセガーイさん(Mpho Assegaai)は、その日の朝にツォチさんから電話をもらい、服やオムツなど女児に必要なものを集める手助けをしてほしいと頼まれた。アセガーイさんが団体のFacebookで寄付を呼びかけると、女児の噂は瞬く間に広まり、オムツや服の提供が相次いだ。アセガーイさんは同日の午後に、寄付された衣類などや女児と思われる赤ちゃんが座っている写真をFacebookに投稿し「たくさんの服が届きました。協力に感謝します」とコメントした。寄付は今でも続いているという。

地域の人々の間で、女児はコサ語で「私たちの贈り物」を意味する“Siphosethu”と名付けられた。キンバリー病院の医師によると女児の健康状態は良好とのことだ。「ガレシュウェ(Galeshewe)家庭暴力、児童保護、および性犯罪ユニット」は、女児の母親に関する情報提供を呼び掛けている。

画像は『IOL News 2018年9月17日付「Newborn girl found alive in bag」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)